今日は、藤原歌劇団の舞台を観に、愛知県芸術劇場へ。
藤原歌劇団公演 プッチーニ作曲 『妖精ヴィッリ』(オペラ全2幕)
マスカーニ作曲『カヴァレリア・ルスティカーナ』(オペラ全1幕)
<日本語字幕付き原語(イタリア語)上演>・ニュープロダクション

ちょっと綺麗に撮れていないのですが、会場のロビーのポスターにはサインがされていたので、そちらの写真。
日本オペラ振興会総監督:郡 愛子
公演監督:斉田正子
指揮:柴田真郁
演出:岩田達宗
【妖精ヴィッリ】
アンナ:伊藤晴
ロベルト:澤﨑一了
グリエルモ・ウルフ:岡昭宏
語り:豊嶋祐壹
【カヴァレリア・ルスティカーナ】
サントゥッツァ:桜井万祐子
トゥリッドゥ:笛田博昭
ルチア:牧野真由美
アルフィオ:井出壮志朗
ローラ:丹呉由利子
合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽:セントラル愛知交響楽団
合唱指揮:安部克彦
美術:松生紘子
衣裳:下斗米大輔
照明:大島祐夫
舞台監督:菅原多敢弘
副指揮:諸遊耕史、松村優吾
演出助手:手塚優子
プッチーニ:「妖精ヴィッリ」
ロベルト(T)は遺産を受け継ぐことになり、マインツの町に赴くが、都会の誘惑に溺れて帰らず、裏切られた婚約者のアンナ(S)は死んでしまう。アンナの父グリエルモ(Br)は、黒い森の妖精ヴィッリに復讐を願う。都会に疲れたロベルトは森に帰るが、妖精に呪われ死ぬ。
今回、初めて観ました。音楽は素晴らしく、歌もダンスも素晴らしく、しかし救いが無い。「なぜ、この美しい音楽に、この物語にした」と突っ込みたくなります。
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」
トゥリッドゥ(T)が軍隊にいる間に、入隊前につきあっていたローラ(Ms)は、馬車屋アルフィオ(Br)と結婚する。退役後、村に戻ったトゥリッドゥは失意からサントゥッツァ(S)と付き合う。しかし、ローラとトゥリッドゥは不倫をしており、それを知ったサントゥッツァは苦しむ。二人から非道な扱いを受けたサントゥッツァは、アルフィオに二人の関係を伝える。トゥリッドゥがアルフィオの耳たぶを噛み、決闘を申し入れる。トゥリッドゥは、母ルチアに自分が死んだらサントゥッツァの母になってくれと頼み出ていく。そしてトゥリッドゥは死ぬ。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、舞台で観たことがあり、DVDでも観たことがあります。そのときの舞台は、演出がだいぶ特殊なもので、DVDは舞台でなく映画のような作りだったので、通常の演出での舞台は、今回が初めてではありました。
観たことがあることもあって、筋もわかるし、音楽も歌もダンスも素晴らしい。特に間奏曲は、涙が出るほど美しかったです。が、やはり「なぜ、この美しい音楽に、この物語にした」と突っ込みたくなりました。
プログラムの解説を開演前に予習で読み、また開演前の作品解説も聴きました。演出ノートによれば、妖精ヴィッリでは「都会で人生を狂わされた青年は、故郷で死と引き換えに、神への賛歌に囲まれて婚約者の腕の中で本来の自分に還る」と。また、「カヴァレリア・ルスティカーナ」では、トゥリッドゥは、「死の制裁を前にして、大切なことを思い出す」「自分はトゥリッドゥ(救済者)という名前であることだ。」「彼が死の間際に恋敵や母に乞い願うのは、彼のために全てを捧げてくれたサントゥッツァの救済だ」「彼はサントゥッツァの救済者となって殺される。つまり命と引き換えに自らが何者であるかを取り戻すのだ」と。そして、「二つのオペラは」「復讐と制裁の罰を通して、失われていた本来の自分を取り戻し、浄化と救済を与えられるという物語」「ヴェリズモオペラというより、ギリシャ悲劇や日本の能に近い」と、ありました。
この組み合わせであるからこその視点で、大変面白く、興味深く、それを心にとどめながら舞台を観たのも、これまでに無い体験でした。ただ、それだから、そう受け止められたかというと、「うーん?」でした。浄化と救済は、私には、あまり感じることができず、救いがなく感じます。それにしては、確かに音楽が美しすぎるのですが。
でも、この組み合わせだからの演出は、面白かったです。作品解説で、妖精ヴィッリの仮面が、カヴァレリア・ルスティカーナでも登場する、サントゥッツァにアンナの花嫁のベールをかぶせるが、サントゥッツァは、それを脱ぐとあったの、そのあたりを見逃さず観て、確かに、二人ともに共通する怒りや哀しみや憎しみや苦しみが感じられました。2つの演目が順に上演されたならではの演出と思います。物語には納得しきれないものがありますが、上演された当時も、物語りにこだわりすぎず、歌や音楽を楽しんだのではないだろうか? 他のオペラでも、展開がトンデモなのは、よくあることだし、その点、今回の舞台は、歌よし、音楽よし、ダンスよし、演出面白し、で素晴らしく楽しめました。
💐愛知公演終演💐
— 日本オペラ振興会 (@JOF_opera) February 7, 2026
藤原歌劇団公演「妖精ヴィッリ/カヴァレリア・ルスティカーナ」愛知公演が終演✨
多くのお客様にご来場いただきまして誠にありがとうございました!
今後とも日本オペラ振興会へのご声援のほど、よろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/Dnmo0jS30V

