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翡翠のブログ

日々の徒然をつづっています。コメントは承認後公開させていただきます。

今日は出勤でしたが、予定より早く終われたので、あきらめていたサラマンカ能に飛んでいきました。

 

パイプオルガンと能舞による 組舞「Wa」

 バッハ コラールパルティータ BWV768 喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ

 能舞 辰巳満次郎

 パイプオルガン 大平健介

解説

仕舞

 箙 内藤飛能

 弱法師 和久荘太郎

 東北 玉井博祜
狂言「棒縛り」 野村萬斎
能「鞍馬天狗」白頭

 大天狗 辰巳満次郎

 牛若 内藤瑞駿

 

今回で3回目になるサラマンカ能、毎回、サラマンカホールならではの新しい取り組み、新作に挑戦されて、とても面白いです。

 

 

今回の新作の組舞は、「WA」というタイトルですが、解説によれば「和」「輪」「我」など、なんでもイメージしてほしいとのこと。面は孫次郎、衣装は通常は合わせない組み合わせ、最初は青紫っぽい色の衣裳をかぶっていたのですが、それは「ひきまわし」という、舞台上の作り物を覆い隠すのに使用する布だそう。途中で、曲の切れ目の暗転時に脱ぎ捨てたのですが、これは最初は心に闇があり、それから解放されることを表したのだそう。さらに、途中から扇子を祓串に持ち替え、パイプオルガンの曲が神への祈りの曲だし、能も奉納舞などあって、神事でもあるので、その重なりを感じました。最後に、その祓串を後ろに投げ捨てたところが、ちょっと謎でしたが、荘厳で厳粛な感じで面白い組舞でした。

 

今回は、狂言に野村萬斎さんが出演され、そのためか、チケットはすぐに完売でしたし、駐車場も満杯でした。解説には、野村萬斎さんと辰巳満次郎さんのお二人が登場されました。

 

仕舞は3曲、全体に「梅の香り」というテーマタイトルが付いていて、確かに、「箙」では源氏の武将、梶原景季が梅の木を手折り、箙に差して笠印とするし、「弱法師」では梅の花びらが袖に散り、香りが香ります。「東北」は、まだ観たことが無い曲なのですが、和泉式部の霊が軒端の梅について語り、梅の香りと共に消えるのだそう。ちょうど2月の梅の時期に梅の花や香りをイメージさせてくれる演目でした。

 

狂言「棒縛り」は、さすが、面白いうえに、酔っぱらった太郎冠者、次郎冠者の歌も良かったです。

 

そして「鞍馬天狗 白頭」。今年は、正月からこれで、3回目の「鞍馬天狗」です。

 

 

花見の稚児は10人、今回は、能楽師や囃子方のお子さんたちではなく、一般募集された子たちで、3回の練習を積み、今日の舞台に立ったのだそう。今日も後見のうち、一人の方は子方が舞台上で並んだそばに座り、途中で後ろ向きから舞台の方に向くときに、手で回転する仕草で、そっと合図をしていらっしゃいました。可愛いです。

 

さらに、子方の牛若は先日の名古屋宝生会70周年記念別会の時にも鞍馬天狗で牛若をやっておられた内藤瑞駿さんでした。今日も、凛々しく若々しく、声も通ってカッコイイ。宝生会の鞍馬天狗は、宝生家宗家の宝生和英さんで、もちろん、とても重みがあって、厳かでいらしたのですが、ただ、今日の辰巳満次郎さんの方が、お体が大きいのでないかな、そのためか、牛若との体格差がさらに大きくて、最後に牛若が別れを惜しんだときの牛若への可愛がり方が、一層、お父さんっぽいというか、優しい感じに見えました。

 

今日の鞍馬天狗の面は、今日が初めての舞台での使用と解説にありました。鞍馬天狗は、普段は「大べしみ」という面を使うけれど、白頭では「ひげびしみ」という面を使う、でも、それは持っていらっしゃらなかったのだそう。それが、つい先ごろに、有名な面を打つ方のお孫さんと野村萬斎さんの紹介で縁があって、その祖父さんの面を使うか尋ねられ、拝見したところ、その「髭べしみ」だったから驚いた、と、解説で話されたので、後半で大天狗が面を着けて登場するのを「へえ~、これがそうなんだ」と、とっても興味津々で拝見しました。前回、前々回の大天狗の面が「髭べしみ」だったかどうか、そこまで観ていなくて気が付かなかったのですが(頭の白い毛に気を取られました)、確かに前回の宝生会のチラシ写真を見ると、髭がありました。今日の面の髭は、ちょっと遠くてわかりませんでしたが。単眼鏡か双眼鏡を持って行くと、舞台や美術館で観やすくて良いな。今日は、仕事で観に行けない可能性も高かったので、お安いバルコニー席を購入していて、その分、余計、舞台から遠かったのです。ただ、逆に音はすごく良く通って聞こえました。囃子方の音は、いつもより響いて聴こえ、特に大鼓のカーンという響きは、とってもよく響いていました。また、子方の牛若の声や他の方の声、謡も聴きやすく聴き取りやすかったです。3回目の鑑賞で、謡を聴き馴れてきたおかげかもしれませんが。同じ演目が、3回目続くという珍しい機会でしたが、鞍馬天狗は、やはり大好きですし、見比べ、聴き比べもできて良かったです。