今日は、豊田市能楽堂に「わくわく能楽体験」をしに次男坊と行ってきました。

プログラム
◆狂言を観てみよう　狂言「伯母ケ酒」

　甥　井上蒼大

　伯母　井上松次郎
◆お囃子を聴いてみよう
◆能を観てみよう　能「土蜘蛛」

　シテ土蜘蛛　内藤飛能

　ツレ　源頼光　衣斐愛
◆わくわくワークショップ

自分が面白くて好きで観ている能、できればうちの子も好きになってくれないかな、付き合ってくれないかなという目論見があります。

岐阜市は小中学校対象に親子歌舞伎観劇の機会が何度かあり、仕事の予定があえば申し込むようにしてきました。その結果、歌舞伎は長男も次男も何度か観る機会があり、それ以降も、次男坊はスーパー歌舞伎には付き合ってくれたりしています。

狂言は、子ども向けの狂言教室に毎年行っていました。東海地方には次男坊と年齢が近い狂言の子方さんがいらっしゃるので、毎年観に行くと、子方さんも毎年大きくなっていくのが、面白くほほえましく、将来も楽しみで応援しています。狂言は、予習等しなくても十分楽しめるので、次男坊は、一番好きな伝統芸能は「落語」、次が「狂言」と言ってくれています。

一方、能は今のところ微妙。以前に、私が連れて観に行った時は、演目をあまり厳選していなかったので、狂言は面白かったが、能はもう観に行きたくないと言われました。これは完全に私が演目より日程で選んだのが敗因と思います。「土蜘蛛」や「鞍馬天狗」とか「夜討曾我（夜討曽我）」とかを見せておけば、「おお、能って結構面白いじゃん」と最初にだまくらかすことができたでしょうに。その後、子ども向け能体験イベントに何度か付き合ってもらったときには、土蜘蛛のさわりとか、春日龍神の仕舞を体験したり、衣装着付け体験などもして、そこそこ楽しんでくれた様子でした。

今日は、最初に狂言の解説があり、狂言を鑑賞。以前に観たことのある演目で、言葉が聞き取れないところがあっても面白い演目です。今日の演目には、これまでにも何度か拝見した次男坊と同じ年の狂言師さん、井上蒼大さんが出演していらっしゃいました。年齢的にも、もう子方ではないですね。小学生くらいの子らが、たくさん観に来ていたのですが、とても面白そうでした。

休憩後は囃子方の解説。楽器の紹介のあと、この後の土蜘蛛にも登場する舞囃子を披露してくださいました。

そして能「土蜘蛛」の解説の後、上演。今日の上演は、内容的にも人数的にもコンパクト化、スリム化されていました。頼光（ツレ）は侍臣なしで一人で登場し、胡蝶（ツレ）は無しなので、導入の口上説明等もなしで、突然始まる感じ。そこへ、法師（シテ）が登場し「いかに頼光」と呼びかけから始まって、頼光と法師の切り結びと糸投げへ。糸投げは、観客席から、どよどよっとどよめきが、あがります。

独武者が出立し、間狂言。作り物が運びこまれ、独武者が登場。ここも、いつもだと独武者と言いながら3人くらいだったと思うのですが、2人でコンパクトに。地謡も基本4人くらいで。作り物から赤髪の土蜘蛛が登場すると、ちょっと怖そうな声が客席から出てもいました。そして土蜘蛛と独武者との切り結びと糸投げ。控えめながらも、華やかに美しくカッコ良く、糸が投げられ、客席も喜んでいたと思います。そして土蜘蛛が討たれ切戸口から退場しました。

今年は土蜘蛛を観る機会が例年になく多いのですが、何度見ても単純に面白いです。ただ、解説に、背景について少しだけ言及があり、手持ちの「対訳でたのしむ」シリーズにも、「作品の奥には、虐げられた者の悲しみなど、古い伝承世界が潜んでいるが」とあり、朝敵とされた者が、鬼や土蜘蛛とされたのだろうなとも思われました。

展示スペースには能衣装や、

作り物の模型など。まだ舞台で観たことの無い作り物もたくさん。

能楽図絵も土蜘蛛のページが表示されていました。