もうすぐ春休みも終わるので、今日は次男坊と出かけてきました。

以前はよくつきあってくれた次男坊ですが、土日にバイトが入ったので最近はなかなか一緒に遠出できません。今日も遠出というほどではなく、久しぶりに映画を観に行こうかと誘って、次男坊からリクエストされたのは「Winny」。

映画『Winny』｜公式サイト大ヒット上映中！東出昌大×三浦貴大 W主演、松本優作監督。ネット史上最大の事件、禁断の映画化！日本の天才はなぜ警察に潰されてしまったのか。

winny-movie.com

2002年に公開されたファイル共有ソフト「Winny」の開発者が、著作権法違反ほう助の罪で2004年に逮捕され、裁判で7年後に無罪を勝ち取るまでを描いています。ドキュメンタリーでないですが、ほぼ全ての関係者を実名のまま描いたのだそう。

Wiinnyが公開されたのは20年前か。その当時、映画やゲーム、音楽などが著作権じゃの許可なく違法にアップロード・ダウンロードされ、違法コピーファイルを共有した者たちが逮捕されたこと、警察や自衛隊など公的機関からもファイルが流出したことは知っています。しかし、Winnyの開発者については、ほとんど正しく知らないままでした。

正直なところ最初にソフトが世に出て、様々な著作権違反や情報漏洩、ウィルス感染拡大などが起きた時には、そのソフトにも問題があったのではと特によく考えもせず感じてしまってすらいました。でも、プログラムはプログラム、あくまで道具。ウィルスプログラムですら、作成者が意図せずバグがあってウィルスになってしまった場合には、処罰対象にならないというのに、ましてやファイル共有ソフト、違法に使われたのは使った人間の悪用。現在のSNSやYouTubeが、使う人間によって悪用されたり、困ったことを起こすのと変わらない。

どうして逮捕され起訴されたのだろうか？実際に映画のような取り調べ、起訴だったのだろうか。観ていてつらい。

それでも映画の中の開発者、金子勇（演：東出昌大）や弁護士、壇俊光（演：三浦貴大）の言葉に、姿に清々しさと救いを感じました。日本の技術者のために、プログラマーのために、後の若い世代のために、戦おうと、あきらめないと言ってくださって、結果、とうとうやっと7年目にして無罪を勝ち取る。しかし、そのわずか1年半後に倒れ、亡くなってしまって、裁判後に自由に技術者として生きられたのは半年しかなかったとのこと。なんて残念な、なんてもったいない。生きていてくれたら、いや、逮捕されずその後も研究や開発を続けていてくれたら、どれほどのものが生まれ、どれほどの革新が日本に起きただろうかと残念で無念です。それはご本人が誰より以上にそうでしょうけれど。

映画の中で開発者や弁護士を演じた俳優さんは、すごくそれらくし、すごく本当らしく、映画に一層共感できました。しかし、映画の最後には、実際に残る開発者、金子勇さんの映像コメントが流れ、裁判への想い、プログラミング、ものつくりへの想い、後の技術者への想いを語っておられて、それが一層胸にしみました。

上映時間が便利な時間でなく、上映回数も少ないため、観に行くか他の映画にするか少し迷って観に行ったのですが、大正解、観に行って良かった、観て良かった。次男坊はパンフレットも嬉しそうに買って帰りました。いや、工学部生、全員観るべき映画じゃない？

まさしく、また今、ChatGPTやBingなど、テキスト生成型AIが猛烈に進化しているとき、それを使いこなすのは今後当たり前とされる気がします。生まれた時から身近にChat型AIがあって、調べ、尋ね、考えをまとめるのが当たり前の時代に、それをどこまで使いこなすかが今後、求められるようになりそう。人は正しく便利に使いこなせるだろうか。禁止しようと言っている声もあるらしいけれど。

次男坊のリクエストで、肉のはせ川でハンバーグ。

映画 Winny

映画　Winny