数日後、部屋の掃除をしている時に見つけたものは、ヘルスの割引券だった。

行った事ある方ならご存知かと思うが、

割引券の裏には大概の女の子が名前とメッセージを書いてくれる。

私が見つけたものはご丁寧に行った日付まで明記されてた。


その日付は、もう行かないと約束してくれた日より後だった。

後というか直後というのが正解だっただろうか。

しかも日付は別で、もう3枚でてきた。それぞれ別のオンナの子のものだったが。


見つけちゃいけないものを見つけちゃった。

でも今は仕方ないのかな、すぐ止めろって言ったって止めれないよね、

じゃあこれは見なかったことにして彼には内緒にしておこう、そう決めたのに涙が止まらなかった。


数時間後、彼が帰ってきた。

笑顔で「おかえり~」と言って迎え入れてあげようと決めてたはずなのに、

実際は顔を見たら涙があふれ出てしまった。

それでも怒っちゃダメ、笑ってすまそうと思ったのに、

彼の「どうしたの?」の問いかけに私は笑顔でいれなかった。


「どうした・・・?」

「…ごめん、見つけちゃったの、掃除してたら」

「…割引券?」

「うん、ごめん…」泣き過ぎてそれ以上言葉が出なかった。

怒りをぶつけたい気持ちと、笑顔で許さなきゃって気持ちがぶつかり合ってた。

「…ごめん」とだけ言ってそのまま黙って下を向いてた彼に、私はついに我慢できなくなってしまった。


「うそつき!!めっちゃうそつきやんか!!」

思わず口から本音が出てしまい、どうしようもなくなった私は家を飛び出してしまった。

でも行くあてがなく、とりあえずバスに乗ろうと思ってバス停まで走っていった。

追いかけてくる彼に追いつかれないように一生懸命走ってたら、

私は歩道から足を踏み外し、思い切り転んでしまった。

思い切りお腹を打ち、次の瞬間、激痛が走った。