五年ほどになるか、もっと

前からになるか、陶芸をやっているのですが、

一体陶芸とは何なんだろうと考えることがあります。

そう考えだすと、思いは始原の土練りに思いを馳せます。

人間は自分の暮らしていた社会、共同体は今よりもっと

小さく、みんなで共有する食料などの量は限られていました。

その貯蓄に必要となる土器。食を盛る器など、土器はそういった

役目を担っていたはずです。しかし、私は思うのです。

昔の人も自分とは何なのかこの宇宙とは何なのか。

そうした、神秘に思い焦がれていたことでしょう。

豊穣の大地から土をもらい、自然から命をもらい、

土を練りながっら、この地球と命たちをつなぎ共鳴する

儀式として土器をつくり、星々に思いを馳せていたのなら

なんとロマンチックなことでしょう。

そして、わたしも、陶芸に携わることが出来て、

そうした思いを抱けて感謝しております。

病気にならなければ出会えなかった陶芸です。

人生は不思議なものですね。