電話があったんですよ。


僕の20年来の友人のケースケから。


「ヒマか?今日彼女とエイジの店に行くんだけど、お前も来いよ。オカケンも来るってさ」


や、”初めまして”のお客様がいらっしゃったらあれですから書いておきますが。

このケースケ、エイジ、オカケンってのは、全員同じ中学校の同級生だったんです。


エイジっていう男が今年の秋に居酒屋をオープンさせて以来は、集まるのと売上に貢献するために、ちょいちょいそこへ行っているんです。


そしてオカケン。


今ねぇ、この男が僕にとっちゃあ鬼門筋なんですね。


僕が21か22の頃、若気の至りで書いてしまった駄小説を事情は忘れましたが、この男が所持してるんです。


そしてこのオカケン。


素敵に無邪気に、ポンコツですから……。


「こないだアホバカが書いた駄小説、発掘しちゃった!」


なんてみんなの前で言い兼ねません。


もしそうなったら………。


うん、死ねる(笑)


もちろんオカケンも殺します。


「洗っても洗っても、アンタの血が取れねぇんだよぉ~!」


手を洗いながら台所で号泣です。


………昔、2時間ドラマでこんなシーンがあったんですが、あれ衝撃的でしたねぇ。


確か池上季実子主演だったような……。


………どうでもいいっすね(笑)



まあまあそんなわけでね、ちょいと面倒だなぁ、なんて思ったんですが、行ったんですよ、エイジの店。


僕が行って”睨み”をきかせてないと、オカケンの爆弾が爆発する可能性ありますから(笑)



まあ……でね。



あ、こっから相談です。


や、僕らね、僕、ケースケ、エイジ、オカケンの4人はそれぞれ”誕生日王様権”っていうのを持ってるんですよ。


まあまあそんな大仰なものじゃなくて、


「誕生日にこんなパーチーをやってくれよ」


ってお願いするくらいなんで、可愛いもんなんですが。


でね、来たる1月2日。


ケースケさん誕生日なんですよ。


そんな”次期王様”のケースケさんがこう言ったんです。


「次の俺の誕生日にゃ、みんなでグアムでも行くか!」


ほ~……。


「俺とミワ(ケースケの彼女)、エイジとユリちゃん(エイジの嫁さん)、………で、アホバカとオカケンは同じ部屋でいいべ?」


あ~……。


僕ね、色々考えたんです。


青い空に海。

バドワイザー。

ファイヤーダンスショー。


貧困なイメージながら色々考えたんです。


その結果。


「金と時間があったら、絶対行きたいのになぁ」


って思わず呟いてしまったんです。



やー……。びっくりしましたよ。



あのね、全員。

エイジもエイジの嫁さんも。

ケースケの彼女さんも。


なんだったら、当のケースケも。


ほとんど同時に。


「えぇ?!」


ってなってやがるんですよ。



意味わかります?


僕はね、キョットーン!だったんですよ。


や、なんかね。


『ふざけんなよ!なんで俺とオカケンだけが男同士部屋で、お前らが恋人や夫婦なんだよ!』


って言うはずなんですって。


えぇ~……(笑)言います?


「だってお前、たまに変なとこでキレんじゃん。大学のときにやったBBQで、後輩の子を泣かすまで叱ったじゃん」


あ、あれは……!


まあまあしかしケースケさん。


「うん、グアムが悪かった。温泉1泊にしよう」


って言ったんです。


や、わかります。まあまあグアムなんか現実味ゼロですよ。


エイジも、店オープンさせたばかりで余裕ないですし。

オカケンも、不定休の仕事だから、海外旅行のまとまった休みを取るのは大変です。


しかしなるほど。確かに、温泉1泊は有り得る。


ちょっと考えてみます。


温泉。

卓球。

フルーツ牛乳。


「別にいいんじゃね?」


やっぱりアゲインなんです。


「えぇ~!」


ってなってるんですよ。


いやいやいやいや。キレませんて。


変な話ね、ケースケさんの彼女さん。


ミワちゃんにね、


「温泉嫌だ!私が浴衣姿なんかになったら、この人、”ねっとり”とした視線を送ってくる!!」


って言われたらね、そりゃ怒りますよ。


ちょっとくらいいいじゃねぇか!!


って。


そっち?!(笑)



ちょうどそんな話をしてたころに、仕事終わりのオカケンが来たんです。



それでオカケンに、


「ケースケの誕生パーチー決まったわ。温泉1泊な。お前は俺と同じ部屋だけどいいだろ?」


って試しに言ったんです。


まあまあ言っても、オカケンは穏和な男です。


お袋さんの体に、”怒り”の感情を置いてきたんじゃ?


ってほど穏和なんです。


だからキレるわけなんか……。


「……ふっざけんなよ!」


えっ?!


「なんでそんな部屋割りなんだよ!おかしいだろ!!」


え~~……?



それはキレ過ぎでしょうよ(笑)


しかしなんでしょう。キレるシチュエーションなんでしょうか。
昨日あたりが忘年会のピークだったんですかねぇ。


や、うちの会社もご多分に漏れずでございまして、昨日、忘年会だったんです。


まあそれにしてもすごい人出でしたよ。

僕は北海道札幌市に住んでますから、忘年会なんてやっぱりすすきのでやるんです。


ここ数年、すすきのは完全に、”死んだ街”状態でしたが、昨日はよかったですねー。


深々と降る雪。

気温は-5℃まで冷え込んでいるのに。

陽気な酔客。ご機嫌な声。

そして群がる客引き(笑)


「お兄さん!おっぱいいきますか?!」


最悪ですよ(笑)


や、でもね、あの猥雑した感じ。


あれがすすきのなんです(笑)



ああ、でも客引きには気をつけて下さいね。


今はねぇ、割とタチの悪い客引きはいなくなりましたけど、まだまだいるみたいですから。


僕の親友の、ケースケ……うん、Kスケにしとこうか。


Kスケさんはね、客引きのお兄さんに連れていかれた店で、財布の現金全てに、社員証を取られるというひどいめにあったことが、なかったとかあったとか……(笑)


まあまあ、そんなこともありますから、ご来札の際は、是非是非お気をつけて下さいませ。



さて、昨日の忘年会なんですが。


うちの会社にカラオケブームが来たんですかねぇ。


昨日のコースは、居酒屋→→居酒屋→→カラオケなんてコースだったんです。


あっれ~。


去年とかは、居酒屋→→解散!って感じだったのになぁ……。


まあまあそれで2週続けて、カラオケに行って……。


相変わらず、上手く”手拍子”が叩けないことに苦悩していたんですが(笑)


や、昨日ね、僕の隣近くにオートモ君という新人の男の子がいたんですよ。


彼は、偶然ながら、僕と同じ中学、高校、大学の出身でございまして。


頭からお尻までの後輩ということで、僕からしたら誠に可愛いんですよ。


その彼が、カラオケでね、


「アホバカさん。やっぱり一曲くらい歌ったほうがいいんでしょうか」


って尋ねてきたんですよ。


や、この子ねぇ。


良い意味でも悪い意味でも、現代っ子らしい”超然さ”を持った子でね、そういう類の気を使うということが皆無だったんです。

ですから嬉しくてねぇ。


なんだよ~、成長しやがって。

って感じでした。


まあ、


父か?!


ってツッコミはご無用です。


同期のヨコヤマにしっかりやられましたから(笑)


まあしかし、


「唄え唄え、名刺代わりにイッパツやってこい」


は、ヨコヤマも一緒でございますから。


あの、あれなんていうの、カラオケの発展リモコンみたいなやつ、を回してもらったんですよ。


そうしてリモコンをピッピッといじっていたオートモ君なんですが。ふと、


「どんな歌、歌えばいいんでしょう……」


って呟いたんです。



なるほど、なるほど。そのこと、か。



でございます。


「オートモ君、この場合2つ道があるのだよ」


でございますよ。

ええ、したり顔の馬鹿2人。僕とヨコヤマが腕まくりでございます(笑)


「1つは、”ゴリゴリの懐メロ”を歌うだ。そうすることで、老人たちに、『おいおい若いのにこんな歌どこで覚えたんだよー』、『テッヘヘ~☆昔、ウチの親父(お袋)が歌ってたのを覚えたんすよ~』で可愛がられる道だ……」


「もう1つが、”ゴリゴリの新譜”を歌うことだ。そうすることで老人たちに、『おいおい、やっぱり唄う歌が若いなぁー。うちの息子(娘)もこんなのばっか聞いてるぜ』」、『テッヘヘ~☆息子さん何歳くらいなんですか?』で可愛がられる道だ……」



「ちなみに俺は、経理にいたサイトーさんっていうオバサンと、”林檎殺人事件”をデュエットしたな。………フニフニフニ……ってな」


「ちなみに俺は、トガシってもう辞めちゃった奴だが、そいつと”青春アミーゴ”を唄ったな。……シーってな……」



いい先輩ですよ!(笑)


僕と、ヨコヤマが交互にそうアドバイスしたんですが……。


オートモ君。キョトン顔なんですよ。


「え、たかがカラオケなのにそんなん考えなきゃいけないんですか?」


フニ?!


シー?!


って僕とヨコヤマがそうなったのは、言うまでもありません(笑)



たかがカラオケ。



本当にその通りなんですよね。言葉もないですよ。


そんな僕らをヨソに、


「まあでも、一応、”懐メロ”にしときます」


そう言って、オートモ君が入れた曲は。


モンゴル800でした。


え?!懐メロ?!


モン8が懐メロ?!(笑)


や、そこはいいや。モン8を”懐メロ”扱いの君の若さについては置いておくが……。


それにしたって、お前は、懐メロの意味をカケラほどもわかってねぇよ!!


でも。


可愛い後輩だから。


ハモりますよ。


♪ あなたにぃ~会いたくてぇ~~


あ、オートモ君。右耳を押さえやがった……。そうだよね、邪魔だよね…………。


あーぁ(笑)


まあまあ僕とヨコヤマ。


とりあえずその後、歌っておきました。


林檎殺人事件。


フニフニフニフニ………。
昨日、12月14日ですわ。


11時ちょっと過ぎですかねぇ。


もうそろそろ寝ようかなぁ、なんて頃にオカケンから電話がきたんです。


「アホバカ~。まだ起きてるー?」

なんて言って。


まあまあ、オカケンさん、昨夜ね、引越しの荷物を片付けていたそうなんです。


や、11月の半ばに引越ししたのに、まだ荷解きか?!

とか……。

おまっ、10時過ぎに荷解きとか、ご近所トラブル巻き起こしたいのか?!


なんてツッコミはご無用です。


僕がしっかりガッツリ言ってやりました(笑)


まあ~!あの男は、無邪気に素敵にバカなんですよね。


もっともだからこそ長年友情が続いているかもしれませんが(笑)



や、でね、オカケンさん。


荷解きしていたら、”ある物”を見つけたそうなんです。


「なんだと思~~う?」


…………。


知らねぇよ、が正解ですよ(笑)


「じゃあじゃあヒント!最初の文字が、『し』で最後が……、しょうせつ……だから……『つ』!!」


お前、言ったね。


小声だったけど、答え言ったね。受話音量最大を舐めんなよ?


ん………。


しょうせつ……?


小節?詳説?


小説……。


小説?!



えぇ。叫びました。


それまで、アパートのご近所トラブルについて説教してやった僕ですが……。


叫びました。


ギャーース!!!


って叫びました………。



黒歴史ってやつなんですよね。


やー!皆々様にもあるはずですよ。黒歴史。


例えばウチの姉貴(長姉)は、中1のとき、同じクラスの王子様に惚れぬき、果ては、雑誌で読んだ想いが成就するだかのおまじないに踊らされ、手首にコンパスの針で、

あっくん

って書く呪いにチャレンジ。
親父がマジキレして家庭崩壊にリーチをかけるとこまでいきましたから!


あとは2番目の姉貴ですよ。大学生のとき、なにを思ったんだか、髪型を”アフロ”にしやがり。
アフロのまま、家で飼っていたプードルを散歩。

飼い主も飼い犬もアフロとはこれいかに?!

とご近所様を戦慄させるなんてことしてましたから!


いや~、書いて並べてみると、イタい女達ですねぇ!

バッカじゃねぇの(笑)



…………肉親だよ、ド畜生……!



や、そんな風に誰しも、”黒歴史”ってのはあるんですが。


僕の場合は、これ。


生涯でたった一度、書いた小説なんです。


供養のつもりで、少し書きますが。


あれは大学3年生のことでした。


ある日、同じ大学に通っていたオカケンが、女の子を連れて来たんですよ。


その娘……ミサちゃんと言ったんですがね。


ミサちゃんは、僕らと同い年で、文学サークルにいたんです。


いやぁ、綺麗な女の子でした。


なんでしょう。ちょっと清楚な感じでね。笑うと、八重歯が見えるのが印象的でした。


そのミサちゃんを連れて来たオカケンが言ったんです。


「文学サークルで、年季同人誌出してるんだけど、書き手がいなくて困ってるんだって。アホバカ、文学部だし、本好きだろ。書いてやれよ」


バカヤロウ!


ですよ。


こちとら団の銀バッジで、栄誉ある大団旗の旗手だぞ?小説なんざ書けるか?!


だったんですが……。


「ダメだったら、諦めます……」


の、気弱そうなミサちゃんに、僕即答でした。


「……締め切りいつですか?」


…………。もう一回叫んでいいですか?


ギャーース!

あん時、ミサちゃんにちょっとでもよく思われたい余り……。


ちょっと”イイ声”で言っちまったんです!!


ギャーー………あーぁ(笑)


や、でね、即日、執筆開始ですよ。

アホバカ先生の創作活動開始です(笑)


もう書きながらも、頭ん中は、ピンク色ですよ。


面白いモノ書いたら……。

傑作書いたら……。


ミサちゃんに惚れられるんじゃね?!

そして……”イイコト”が待ってるんじゃね?!


リビドー全開です(笑)


ほんと、恐ろしいもんですよ。

ほぼ2週間で書いた思い出がありますよ。

いくらヒマな大学生とはいえ………リビドーって怖っ!!


まあまあ内容も触れましょうか。


なんかね、ある男の子が同じ大学で、ちょっと憎からず想っている子に、海外旅行用のスーツケースを貸してやるんです。

しかしそのスーツケースは、彼の弟のイロDVDの隠し場所だったからさぁ大変。

このままじゃ憎からず想っているあの子に嫌われちゃう。

イロDVDが発見される前に、彼女が暮らしている女子寮に、彼と彼の仲間たちは忍び込み、DVDの回収を謀るのだが、そこには、”女子寮”ならではの様々なトラブルがあるのだった!


…………。


あるのだった!じゃねぇよ(笑)


まあ僕ね、アメリカのC級お下劣映画とか好きなんすよ。


それでそのノリで書いたんですが……。


ええ、ボツでした(笑)


なんかね、文学サークルの部長さんが、

「こんなクソ下品な駄小説を、歴史あるウチのサークルの同人誌に載せれるか!」

って一喝したらしいです。


まあそりゃそうだ(笑)


ああ、ミサちゃんですか?


その後会うことはなかったけど、元気にしてんじゃないですか?(笑)


まあまあ、そしてその原稿、どういう流れか忘れましたが、今の持ち主がオカケンらしいんです。


「改めて読んでみたけど、俺には面白いよ!」


そうか……。


読んじゃったか……。


「俺のmixiにあげてみようかなぁ(笑)」


…………。


皆さん、昨日12月14日がなんの日だか知ってます?


赤穂浪士討ち入りの日なんですよ。


太鼓が鳴りましたよ(笑)


オカケン邸に討ち入って、青春の仇を取って……、例の小説を取り替えしてやります。


えっと……誰か参加します?あと46人オッケーですけど(笑)