看取り介護のお手伝いに日本へやって来て
ちょうど4ヶ月経った今日
父が天国へ旅立ちました
89歳
食事をしなくなって2週間
お水を飲まなくなって4日目の夕方でした
その時お母さんはお台所で
お夕飯の天ぷらを揚げていました
娘たちは2階にいて
わたしはお父さんのベッドの隣にある
籐の椅子に座っていました
胸を上下に動かしながら
規則正しい呼吸を繰り返していた父ですが
その回数が徐々に減っていき
口を開けた下顎呼吸へと変わっていったので
お母さんを呼び
娘たちにも降りて来るよう伝えました
家族が見守る中
ゆっくりと最後の呼吸をした父
そのあと胸が上下することも
顎や口が動くこともなく
家族に見守られながら
穏やかで、静かな最後を迎えました
母は顔を押さえて
これまで聞いたこともないような声で
わぁ〜っと泣き出しました
そんな母を両脇にいた娘たちが
優しく包み込むようにして抱きしめ
わたしはさっきまで呼吸をしていた
まだ温かい父の亡骸に触れながら
『ありがとう』の言葉を
感謝を込めて繰り返し口にしました
その後は
アメリカにいる夫と息子に
父が亡くなったことを電話で伝え
訪問医療の先生や
ケアマネジャーさん
葬儀屋さんなどにも連絡
母に代わって
葬儀や火葬などの
色々な準備や手続きを進めました
本当に色々な方々に支えられながら過ごした
貴重な4ヶ月間でした
リハビリの先生は
父が少しでも長く自分の足で歩けるようにと
一緒に階段の上り下りをして下さり
寝たきりになった後も
手足のマッサージやベッドの上で出来る
足腰の運動をして下さって
オムツ交換がスムーズに出来たのも
先生のリハビリのお陰でした
訪問看護師さんは専用の爪切りで
硬くなった父の爪を切って下さり
介護に関する様々な相談にのってくれたり
色々なアドバイスを下さいました
介護用品のレンタル会社の方は
いつも対応が迅速で
父の背中に褥瘡ができ始めた時などは
最適と思えるマットレスを
最速で持ってきて下さり
父が亡くなった後は
お世話になったベッドやマットレスを
私たちの希望通りの時刻で
素早く引き取りに来て下さいました
訪問医療の先生もまた
病院へ行くことの出来ない
寝たきりの父の健康状態をチェックして下さり
何かあったら24時間
いつでもご連絡下さいという言葉が
どれだけ心強かったことか…
そして
訪問入浴のスタッフのみなさんのお陰で
寝たきりの父でも家で入浴することが出来て
湯船に浸かる気持ちよさそうな父の顔が
今でも思い出されます
本当に周りの多くの皆さんに助けられながら
人生を生き切った父でした
働き者だったお父さん
今は静かに身体を横たえ
安らかに眠っています