電車の中でもう一度、無愛想君に詫びを入れた。
彼はその婚約者の友人と約束をしていたが、
それが当日になって急遽お食事会に変更されたことにご立腹だったようだ。
推測すると、私の都合に合わせたい友人が、
無理矢理彼らの予定を変えさせたのだ。
友人が私を思う気持ちはよく分かる。
だから無愛想君には謝るしかなかった。
しばらくすると、
なぜそこまでしてお食事会をやりたかったと聞かれた。
失恋ですよ。それで私を励ましたかったからですね。
そう答えると、
実は自分も別れたばかりなんだと言った。
彼は、自分は女心がわからない。
なんで相手が怒るかもわからない。と言った。
そして、なぜ別れたのかと聞いてきた。
初対面の人に別れた理由を話すのは嫌ですね。
と答えた。
彼は少しビックリして、
そしてさらに聞いてきた。
もしかしてまだその人のことが好きなんですか?
正直、初対面の人に真面目になんか答えたくなかった。
私は、『はい、好きですね』と答えた。
私はまだ、恋愛なんかしたくない。
とりあえず、予防線を張っておこうと思った。