私の脳内は完全にお花畑状態で、


マイスイートホームの夢がはっきり浮かんでいた。


母のほうに行きたくて仕方なかった。


それを止める父が嫌で仕方なかった。


姉も兄も奥さんも誰も賛成してくれなかった。


ここで厳しく躾けられるのはもう嫌だと思った。





母から一緒に暮らすには抜き打ちしかないと計画を持ちかけられた。



そして賛同した私は、


母の立てた計画通り、


朝何食わぬ顔して学校へ出たふりして、


叔父に空港まで送ってもらい、


荷物も持たずランドセルのまま母の住む関東へ飛び立った。



そう。母は既成事実を作ったら、


父が諦めると思ったから。






母は連れ出しに成功するとすぐさま父に電話をした。


この子は私と暮らしたがってる。


だからあなたを騙してここまでやってきた。


ウソだと思うなら本人に聞いてみなさい。



電話を代わった私は、


お父さん厳しすぎるから、私はお母さんと暮らしたい。言えなくてごめんね。



と言った。




今回もまた、


軍配は母に上がったようだ。



私が小学6年の9月に入ったばかりのことだ。