こうして私は善意を持って接してくれた父の家族を裏切る形で、

荷物を全て置いたまま、

夜逃げのように母の住む家へ行った。

振り返ると本当に最低な行為だと思うが、

あの時は新しい生活が楽しみでいっぱいだった。



父はショックで寝込んでしまったが、

奥さんは自業自得だから気にしないでいいと言ってくれた。

そして奥さんは、

お母さんが好きなのは子供として当然だから、

一緒に暮らしたらいい。

もし何かあったら兄と姉には頼るようにしなさい。

腹違いだけれど、血は繋がっているから遠慮しないでと言った。



兄はお前のような裏切りは最低だ、

恩を仇で返すなんて2度と会いたくないと怒られた。

でも、結局数年後には可愛がってくれてた。


姉は、逃げるような形で物事を終わりにするのは今回で最初の最後にして欲しい。

どんなに話がこじれても、

話し合いを逃げちゃダメということを覚えて欲しい。

あなたはまだ小さいから私は許すよ。

大人になったら絶対やっちゃダメ。

離れてもなお私を諭す姉でした。

姉はもはや私のお母さんのようだ。



父はしばらく自暴自棄になって、

酒浸りになったらしい。

でも、そのあとは週に一度、

私に手紙を送ってきたり、

年に一度は関東まで会いに来た。

離れて暮らすようになってから、

全く怒られることもなく、

父は私を溺愛するただの親バカのお父さんになった。



私は母と新しい家族と一緒に暮らし始めた。

関東にある田舎町。小さな町だった。

そこで、母と、新しいお父さんと、

その子供たちと、6人での暮らしが始まった。

ついに念願の家族生活です。