それからしばらくは平穏な日が続いた。

でも毎回長くは続かない。

今度は夜中だ。

怒鳴り声と、ドスンの鈍い音。

子供が泣いている。

私は押し入れから慌てて駆け出した。

今度はヒロが殴られてる。

迷惑ばっかりかけんじゃねえ!

ヒロはごめんなさいごめんなさいばかりで、

体を縮めてお父さんの蹴りに耐えていた。

お父さん、痛いよー!やめてよー!

気づいたら私は追い被さるようにして、

体でヒロを庇った。

カホどけ!こいつはこうしないとわかんねんだ!

お父さんは私を剥がそうとする。

でも私はヒロから離れる訳にはいかない。

必死にヒロを抱く。

そうしてるうちに暴行タイムは終わった。

あの時は気づいてなかったけど、

母さん、とめなかったな。

チカ、寝たふりしてたな。


お父さんは、すぐ手が出る人だった。

それを毎回、私がとめる役になる。