高1が終わる頃、

実父の訃報が届いた。

65歳、糖尿病の合併症だった。



ここ数年、自分を大事にしなくなった父は、

持病の糖尿病を一気に悪化させていた。

最後は、腎透析に行くのを拒んだ。

だから、ほぼ自殺みたいなものだと姉は言った。



葬式で私は涙が出なかった。

泣けない自分が冷血なんだと思った。

でも、今なら分かる。

私は、後ろめたかった。

週一に届く父の手紙には、

愛情と期待がいっぱいだった。

私はその期待に何も応えていないし、

多分一生無理だと思った。

ごめんなさいと泣いてしまえば、

期待に応える努力をしなければならない。

私にはその期待が重すぎた。

今でも父を思い出すと泣けてくるのに、

あの時は全く泣けなかった。




その後、姉から父の日記を渡された。

私と暮らし始めてから、

私が母と暮らすようになる今まで、

全部で10数冊あった。

そこには私のことがびっしり書かれていた。

あんなに恐い父だったのに、

こんなに私を思っていたのか、

嬉しいというより、

こんな娘で申し訳ないと思った。




しばらくすると、

姉から遺産相続の話し合いで来て欲しいと言われた。

カホちゃんも相続権があるからさ


どうしてももらう訳にはいかない。

まだ高校生だったけどそう思った。

姉に放棄する手続きをお願いした。