私は、サキのことを書くのがつらい。

罪悪感でいっぱいだからだ。

サキが1番の犠牲者だからかもしれない。

私の可愛い可愛い妹。

でも1番可哀想だったかもしれない。

もっと何かしてあげたかった。



サキは3ヶ月で実母を亡くしてしまった。

その後すぐに児童養護施設に入り、

5歳の直前に退所して帰ってきた。

チカとヒロは、実母を覚えているだけに、

継母には抵抗があったと思う。

サキは、実母を知らないから、

3人の中で1番素直に母さんに懐いた。

それもあって、母さんはサキを可愛がった。

父さんも、サキを殴ることはなかった。

ただ、兄弟の中で皮肉にもサキへの贔屓が嫉妬になり、

チカとヒロはサキをイジメていた。

サキはとてもおとなしい子で、

告げ口するなと言われたら絶対にできない子だった。

だから正直、

私もサキがどこまでやられたのか把握できてない。

サキはいつも私に付いてきた。

私と居るのが1番安全だったからだ。




サキは本当に可愛い子だった。

チカもサキも、母親に似ていて、

お人形さんみたいな顔立ちだった。

サキはさらに父さんにも似て、

スタイルが抜群だった。



顔は違うけれど、

自分の娘がサキと重なって見える時がある。

無邪気に私に甘えてくる姿がそっくりなのだ。

私のバイトの時は、

サキも家に居たくないから、

バイト先の店の端っこでいつも大人しく1人で遊んで待っていた。

私たちはいつも一緒にいた。



なのに、サキを置いてみんな家を出た。

離婚の時、サキは中1になったばかりだった。

離婚で初めて、

母さんが実の母ではないことと、

私とは血の繋がりがないことを父さんから聞かされた。

父さんから、

そういう訳だから、もう連絡を取るな

と言われたサキは、

とても苦しかったと思う。




父さんは私に

今まで迷惑ばかりでごめんな。

もう迷惑かけないようにするから。

と言ったが、

子供たちにも、

カホには迷惑かけるな

と言ったそうだ。

それでも内緒で連絡を取り合っていたが、

ある時、
チカからサキがお父さんにひどく殴られたと聞いた。

その原因は、私と会ったからだった。



私に迷惑かけたくない気持ちと、

関係を断ち切ってしまいたい気持ちとか、

父さんも、色々苦しかったんだと思う。

でもその吐け口を1番弱いサキに向けた。

何もしてあげられなかった。




チカは、

サキはうまくウソをつけない子だから、

サキに連絡をとるときっと困ってしまうから、

しばらく取らないであげてと言ってきた。

確かにその通りの子だった。

歯痒かったがそうするほかになかった。





そしてサキが高校生になった頃、

私とチカ、ヒロ、サキで会った。

それが最後の集まりになった。