昔から母にはパトロンがいた。
母と一緒に住むようになった12歳の頃から、
私も数ヶ月に一度ほど一緒にお食事をする。
母からは、
結婚したことを絶対におじさんには言うなと口止めされていた。
当時は何のおじさんだかよく分からなかったが、
やがておじさんから援助してもらっていることを勘づいた。
おじさんは私にもお小遣いをくれた。
子供には少し高額だった。
恐らく母にはもっとあげていただろう。
おじさんは悪い人ではなかったけれど、
パトロンという行為には嫌悪感しかなかったので
思春期になった頃から、
理由をつけて行かないようにしていた。
そのおじさんとはいつ終わったのかよくわからない。
しかし、スナックを始めた母は、
またパトロンができたのか、
再び私を食事に同席させようとしたのだ。
私は、
母から沢山の学費と生活費をもらっている以上、
非常に断りづらかった。
母は、男たちはパトロンではない、
営業みたいな同伴行為だと言った。
なぜ私が同伴するのだ。もう嫌悪感しかない。
でも、
母を口説いてる男の品定めをして欲しいとか言ったりして、
どうにか私を同席させたがっていた。
仕方なく食事を共にすることになるのだが、
結局私も行けば、
自分でも呆れるぐらい愛想よく振りまけるのだ。
結局、私も母とは同じ血筋なのかもしれない。
そんな自分が嫌いだった。
ただ、
そんな毛嫌いした同席の食事に、
私の運命を大きく変えてしまう人と出会うことになった。