カホちゃんね、

ボクもね、
妾の子だったんだよ。

カホちゃんも、
ツラい思いしてきたんだろ。

ボク達みたいな人って、

スタートからしてみんなと違うんだよ。



社長が言うには、

社長はとある田舎町の政治家と、

ただの田舎娘の間に産まれた妾の子だった。

時代はまだ偏見が多くて、

小さい時から差別を受けてきた。

何くそだと思って頑張ってきたのに、

就職には戸籍を提出しなければならない時代だった。

筆記が通っても、

戸籍を出すと全部ダメになる。

大手には全て断られてしまった。



悔しくてたまらなかったが、

小さな小さな会社(今の会社)が採用してくれた時、
この会社を絶対大きくしてやると今まで頑張った。

社長は目標を達成したし、

社長にもなった。

ずっと連れ添ってくれた妻とはとても仲が良いが、
子供は出来なかった。

もし居たら、

カホちゃんみたいな子なんじゃないか。

今の時代は就職氷河期だから、

多分カホちゃんは苦労すると思う。

その手伝いをさせてくれないか。

こんなことだそうだ。




私は半信半疑だった。

突然、就職を手伝ってあげるというのは、

何か裏があるんじゃないかと、

その好意を受け取ることができなかった。