そんな結婚準備中のある土曜日、
私は新婚の友人のお宅にお邪魔することになっていた。
ところが、
デートの時に買っておいた友人へのプレゼントを、
コウちゃんの家に置いたままだったことに
気づいた。
コウちゃんは午前中から出かける用事があると聞いていた。
私は、コウちゃんにわざわざことわることもないかなと、
合鍵を使って、コウちゃんの家に入ろうとした。
目の前に、
膝を抱えてテレビを見る女性がいた。
その瞬間、心をギュッと掴まれ、
後頭部をガツンと殴られたようだった。
彼女の表情で、一瞬で状況を把握できた。
コウちゃんがとぼけた顔でトイレから出てきて、
私を見て固まった。
もうここから出たい。
頭が痛くて何も考えられない。
というより考えるまでもない。
でも、どうしよう…。
彼女が、私を見て、頭を下げた。
ごめんなさい。
ああ、知ってたんだな。
いや、悪いのは、おまえじゃないから。
ああ、庇うんだな。
そんなやりとりを眺めていて、
私から飛び出した言葉は、
上がって良いですか?
だった。
2人は、身構えていたが、
断れるはずもなかった。
私には、2対1に思えた。
そして私は、押し入れに入っていたプレゼントを取って、
先約あるから
とその場を去った。