2週間後、

ご両親に結婚の挨拶をするんだよね?

それなのに、

結婚ができない?



するとコウちゃんは言った。



両親にはカホを連れてくとは言ってない。

どうしても言えない。

カホと結婚することは、

きっと反対されるから。




コウちゃんは、甘ったれのお坊ちゃんだ。

それなりの家柄らしかった。

だから、私のように、

妾の子との結婚を、 

絶対に賛成してもらえないことを、

最初からわかってたと。 

でも、私と別れたくないから、

ずっと言えなかったんだと言った。



じゃあ、コウちゃんは、

いつも私の泣き言を聞いて、

可哀想だと言ってたけど、 

幸せにしてあげようとは思ってなかったんだな。

私をどうしたかったの?




だってさ、父さんの隠し子事件の時に、

母さんは自殺未遂したんだよ。

それなのに、

母さんがカホを認める訳ないんだよ。




そうだった。

コウちゃんのお父さんは、隠し子がいた。

どうやら認知していないらしく、

コウちゃんが高校生の時に発覚したらしい。

私が聞いたときは、

お父さんが必死に隠し通そうとする言動が滑稽で、

誰が見てもクロなのに、

絶対に認めない姿がおかしかったことを面白おかしく話していた。

母さんが気が狂うほど暴れて、

自殺未遂までしちゃったんだぜ〜。

軽いノリ口調で話したことがあった。

あの時、滑稽なお父さんに焦点が当てられていたけど、

私はコウちゃんのお母さんの苦しみを理解していなかった。

私が同じ立場なら、確かに、きっと賛成しない。

世の中のサレ妻は、

父の奥さんのような人ばかりではない。

コウちゃんのお母さんのほうが、

自然な感情で当然の考えだ。

私のような存在は、嫌に決まってる。

今さら気づいた私は、バカじゃない??

目の前が真っ暗になったような、

私はフリーズしてしまった。



こんなに長く付き合っていたのに、

一度もご両親に合わせてもらなかったのは、

まさか自分が妾の子だったからなんて、

厳しいのは就職だけじゃなかったんだ。


浮気よりもキツい。
これほど自分を全否定されたことはなかった。