ヒロは、男の子らしい子だった。
遊びには貪欲だった。
ヒロは、学校をサボりたくなると、
体温計をこっそりこすって、温度をあげちゃう。
そして、友達からもらったと言い、
勝手に拝借しちゃう。
遊びに夢中になると、門限は守れない。
遅くなって怒られるのが嫌だから、
玄関の外で座って呼ばれるのを待っちゃう。
宿題はやるより、やらないことで怒られたほうが楽。
長いものには巻かれ、弱いものをいじめる。
これはお父さんと一緒
学校からの呼び出し、
同級生の親からの苦情も多い。
怒鳴り込まれることもある。
確かに、ヒロは良い子ではない。
でも、あの育てられ方をされたらまともになる方が稀だと思う。
ヒロが悪いんだ。
そういう短絡的な決めつけ方をされてしまうヒロは可哀想だと思う。
あの頃、母はヒロのことをめちゃくちゃ悪く言っていたけど、
今、息子を育てる私には、
ヒロのことをよく思い出す。
男の子なんて、そんなこともある。
もっと違う接し方をしてあげたら、
あの子は違う人生を送れたかもしれない。
ステップファミリーの難しさは、
子供の個性と大きく関係する。
母は、実子の子育てすらしてこなかった。
そんな母がいきなり継子3人の母になれるほどできた人ではなかった。
子供たちの個性に全く向き合わなかった。
できないところだけ、
悪いところだけ、
ずっと責め続けた。
そういう人は、人様の子を育ててはいけない。
あの頃を振り返り、
母は、自分は充分な努力したと言うが、
私は、ステップファミリーに対する認識や覚悟が足りてなかったと思う。
しかし母は決して認めない。
彼女はいつだって短絡的で感情的に動く人だから。