初めの頃の奥さんは
まだ距離を取って私と接していたけど、
年月が経つにつれ、
次第により自然に接するようになった。
奥さんは私が好きな和菓子をよく買ってくるようになり、
2人でよくお茶をしているうちに、
奥さんの笑顔をよく見るようになった気がする。
そして若き父の女癖がよくないこと、
女遊びはウチの母だけではないこと、
昔はもっと威圧的で支配しようとしたこと、
兄姉たちは私以上に暴力を振るわれていたこと。
聞けば聞くほど家庭内別居の理由がわかる。
離婚しないのは奥さんの美徳なのかもしれない。
もう過ぎたことだからと、
冗談を織り交ぜて話す奥さんは、
既に悟りを開いているのかもしれない。
母に関するエピソードも聞いた。
私がやっと首が座る3ヶ月すぎぐらいの時、
どうやら父と母は大喧嘩をした。
父はそのまま自宅には帰らずどこかで飲み直したらしい。
母は怒りが収まらず、なんと深夜の父の自宅に突然来て、
父不在の中、奥さんに私を突きつけて、
『あの人とは別れるからこの子もいらない』
と渡したそう。
ちなみに別れるから子供を産ませてと言ったのは母です
突然深夜に夫の愛人にその赤ちゃんを渡された奥さんの気持ち、
ウチの母は絶対考えられないんだろうな。
自分勝手とは、こういうことの連続だ。
泣きじゃくる私の為に、
姉は深夜近所に恥を忍んで粉ミルクと哺乳瓶を借りてきたそうだ。
『もう、オムツとミルクぐらい持ってきて欲しかったわぁ』
奥さんは笑って言ってたけど、
あれから1週間、母から全く連絡来ず、
父も帰宅せず。
なぜか奥さんが私の世話をしたんだそう。
『だからね、あなたのオムツだって寝かしつけもしたんだよ』
その言い方は、まったく恩がましくなく、
懐かしそうに言うのです。
ホント、父も母も、迷惑かけすぎ。
なんであんたらの痴話喧嘩に、
本妻まで巻き込むんだろう。
これが、2人とも反省しなかったから頭にくる。
奥さんは、私の結婚式にも来てくれました。
そして奥さんが亡くなった時も、
子供として参列させてもらいました。
可愛がってくれたこと、
本当に幸せに思います。
私を不倫というものから遠ざけた、
ありがたい存在です。