さすがに父の家と聞いて怖気づいた。
私は父と何年も会っていない。
しかも一緒に暮らしたこともない。
父には家庭があることを知っていた。
その奥さんとその子供たちと一緒に暮らすなんて、
子供ながら馬鹿げてると思った。
母から受け入れてもらえない、
親族でたらい回しされる私を、
父の家に送り込むなんて、
私のお母さんってやっぱりぶっ飛んでる。
でも、行くしかなかった。
父は家庭内別居している奥さんと、
成人した子供3人と住んでいました。
その時父は既に60近くで、
子供と言っても姉と兄は30前後だった。
私にとっては、姉が母さんのようだった。
今まで、何の躾もされて来ず、
箸の持ち方すらままならない私は、
姉が教育係になってくれて、
一から私を鍛え直したのでした。
姉も父もとても厳しくてとても怖かった。
父の家はとても規則正しい家だった。
起床時間も就寝時間も決まっていて、
学校に遅れることもなくなった。
私は初めて寝起きに布団を畳んだ。
礼儀作法や食事マナーなど色々教えてくれた。
あの時がなければ、
私は腐った人生を送っていたに違いない。
私を育て直してくれたのは、
父と腹違いの姉だった。
そのことに今でも感謝している。