初めて幼稚園に行った時は仰天してしまった。
私は外にほとんど出してもらったことがなかったから、
靴さえ買ってもらえてなかった。
初めて履いた靴はとても窮屈で、
痛過ぎて外の景色なんて覚えてなかった。
連れて行かれたのが、
満面の笑みの先生たちと、
不思議そうな顔をする子供たちがいっぱい。
なぜかみんな小踊りしながら歌をうたう。
先生も子供たちも私にとっても親切だ。
いっぱい話かけてくれる、
私のことをずっと嬉しそうに見にくる。
よくわからないけど、私はここ好きだな。
そう心の中で思ったことを今でも覚えている。
しかし、年長のとき、
お母さんに感謝を込めて、
お母さんの顔を描きましょう。
あれは母の日でしょうね。
私は昼間寝ていて、夜に出かけるお母さんしか知らない。
感謝ってなんなのかよくわからない。
なぜ同居人の顔を描くのかよくわからない。
その前にお母さんの顔を覚えていない。
だから何も描けなかった。
画用紙を前に俯くしかなくて、
先生に、
お母さんの目、大きいかな?
お口、大きいかな?
髪型は、長い?短い?
私は何ひとつ答えられなかった。
みんな何で描けるのが不思議で仕方なかった。
あれから私はお母さんを観察してみた。
そしたら、ウィッグもつけたりするから、
髪型はほぼ毎日違かった。
あの時に初めて気づいたのは、
お母さんはとんでもなく派手で綺麗な人なんだわって。
幼稚園であんなお母さんをみたことなかったわ。