だがしかし、一年前のちょうどこんな雨の夜のことだった。あいつが置手紙を残し、俺の前から姿を消したのは。その手紙には、
『空の向うくらいまで行っちゃうから。でも、友樹はちゃんと幸せに暮らしてね』と、書いてあった。あいつがいなければ俺は幸せでもなんでもないというのに。

 「もう雨も止んだみたいだし、そろそろベランダで飲むか」

 そう言ってベランダに出てみると、どこかであの物悲しい恋物語が歌われているのが聞こえてきた。もう雨はすっかり止んでしまったようで、あとはアスファルトが乾くのを待つばかりといった様子だ。だが、俺の心は未だにあの頃と同じ雨のままで、あいつを失ったことを悔やんでいるかのようだ。

 だが、季節が巡るようにあいつと俺がいつかは再会できることを信じている。しかし、こんな雨の中をただ独りで歩くことはまだ出来そうにない。

 そんな事を考えているうちに今度は夜明けがやってきたようだ。この街であいつを失ったせつなさを抱く俺の時が止まったままであったとしてもこの街には次の光が訪れるようだ。あいつの温もりを忘れることも、離れることもできないまま俺はこの街で独りあの夜の雨の中で今日も待ち続けている。


Rain at Night      完


此処まで読んでくださった方々、ありがとうございました☆
駄文・乱文etc.実に申し訳ないです(-""-;)