わたしの母は…

どこかスピリチュアルに
不思議なところがあって

第六感が鋭いというか
カンがよく働く人で…

偶然では語りきれないようなことが
彼女の周りでは
頻繁に起こる


ラッキーだったね!
というミラクルが
異常に多く、

数学が得意な彼女は
計算通りと言わんばかりに
いつもそれを楽しんでいた

不思議は不思議で良いと
微笑むだけで
何も語ってはくれないのだが





そんな母は…
わたしにとっては
なぜか遠い人だった

彼女が母親という感覚は
ずいぶん幼い頃に
なくなっていた

わたしのことは、
あまり興味関心の対象では
なかったのか、

はたまたお互いに
そんな運命、相性、
なのかもしれない…





それでも、
何年も離れていても
絶妙なタイミングで
連絡をしてきたり

相変わらず何か見えない力が
働いているようなところがある

それは、
彼女が知ろうとする
対象であることが
前提のようなのだが。



そして…、
その頃の娘に
何かを感じていたのか
折に触れては
子供であったわたしに
伝えられてきたこと…




全ては巡っていること
運命は受け継がれること

だから、自殺や離婚など
昔は悪いとされていたことは
してはならないこと

そして、
それが運命でないのなら、
事故にあってはならない
事件に遭ってもならない

運命でないもので
命を落としてはならない

決められているその時まで
命を全うしなければならない

そう心得て、
うっかり落とすことのないよう
気をつけて生きること

自分たちは大きな流れの中の
ただの通過点であるので、

大切なのは、
うまく流れて次へバトンを渡すこと

そして何よりも、常に
柔軟さを持った中庸であること





自宅の上階から
下をじっと見つめている自分が
最近、よくいる

闇に取り込まれそうなとき
未来を予見していたかのような
彼女の話が頭をよぎって
現実に引き戻される

そして反射的に、
バランスを取ろうとする

思考も偏ってはいけないのだと
何事も水のような心もちで
中庸でいなくてはならないのだと



わたしは、私個人ではない
全体の一部としての
存在責任がある…



意味も分からず
とくとくと刷り込まれてきたことが

今、
不安定な心の
確実なストッパーに
なる…










どうか
頑丈でありますように…