獣の奏者 エリン 第42話 「セイミヤの涙」 | リュウセイグン

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※ 鳥肌注意(ダミヤに)





つー訳で、序盤はすごく……気持ち悪かったです……
ロリコンと、「分かり切ってるじゃないか」的な話術でセイミヤを口説くあたりなんか、ゾッとしますね。
アニメ史上でもかなりキモイ部類に入るキャラなんじゃないでしょうか。
顔も声もイケメン系なのに。



一方、シュナンは戦ではなく、何と単独交渉に!
偉い! 僕も先週は「出師の表を掲げろ!」みたいな事を言っていましたが、確かに外交で解決出来るならそれに越した事はない。それにシュナンの言うとおり戦を忌避する真王領民を戦で屈服させたところで、民意を得られず地盤も安定しないし、戦に疲弊している大公領民だって厭になる。
更には隣国も漁夫の利を得かねない……と、あまり良い事はない。
だからシュナンの「まず交渉」という姿勢は、非常に素晴らしい。
ぶっちゃけ彼がフツーに為政者になっても、この政治感覚ならば安心出来そうです。
僕も凡百アニメの短絡的な戦争論に感化されてしまっていたみたいで、反省しきり
傷付いた兵士を見せつける、という方法も凄いです。


BGMの「ホロン挽歌(仮)」を聞いていたら、何となく

『新豊の腕を折りし翁』


という白居易の詩を思い出しました(杜甫だと思ってたのはココだけの話)
自ら腕を折ってそれが一生使い物にならなくても、戦争へ行かされるよりはマシだ、という嘆きを詠ったものです。


まぁ「あんな兵士どうやって入れたんだよwww」とかちょっと思いましたが、

兎に角効果はバツグンだ!

だから結果オーライだ!


しかしながらセイミヤにはセイミヤで、様々な葛藤や悩みがある。
それは単なる我が儘ではなく、国主としての憂いでもあるし、真王領民としての価値観としても、一人の女性としても致し方のないところ。登場人物の動機の複雑さと、そこから生じる説得力も、この作品の魅力と言えるでしょう。多分、ダミヤも大公領民に対する意識を植え付けてるんだろうね。

そんな訳で、物語のクライマックスになりそうな舞台設定が整えられたのでした。
セイミヤが王獣を従え、闘蛇に頭を垂れさせられるか。シュナンと結婚するか。
これはまた難しくなって参りました。
この物語の主人公はエリンですから、当然このあたりにエリンが関わってくる。
けれど、エリンがお膳立てをするとは思えませんし、したらしたでこの国の政治体制は変わらない。
そしてセイミヤはダミヤの手に堕ちる事になります。
逆に、セイミヤが来ても何も起こらないとなれば、シュナンとセイミヤの婚姻が成立し国としては生まれ変わる事が出来るが、エリンの出番はない。

だから物語的には王獣が従い、闘蛇が頭を垂れるような奇跡が起きつつも、尚かつシュナンとセイミヤは結婚する……という帰結になるんじゃないかと思うのですが、さて、そんな事態にどうなったら到達するのか、今の僕にはサッパリ分かりませんw

まぁ普通に「起きない」でも良いんですけどね。起きてダミヤと結婚で政治体制は変わりませんでした、という可能性は低い気がするんだよな~。問題が根本的に解決する訳じゃないからね。

今週も、何か話してるだけだったんですけど緊迫感は異様なまでにありますね。
絵作りや間合いの巧さなんだと思うんですが、こういうので人を魅せられるスタッフこそ、才能に溢れていると言えるんじゃ無いかって気がします。

そして、来週はエリンとリランの間に致命的な何かが起きる……て、殆ど分かっちゃいますけどw
これがエリンにとってもリランにとっても正念場であり、これを乗り越えた時に、エリンが真王ジェに並ぶか、むしろ超越するくらいになる。そうなれば、いよいよセイミヤとの一件に絡む準備が整った事をも意味するんじゃないかと。さて、この大きな壁をどう乗り越えるのか。