真の熱さは魂に宿る。
僕は傾向として熱血アニメが好きな人です。
そりゃもう今川信者を自認していますから当然ではあるのですが(笑)
他にも『スクライド』や『天元突破グレンラガン』や『戦国BASARA』など、漢の生き様を魅せてくれるような作品はとっても好きです。
しかし、大切なのは熱血アニメの熱さは何処に宿るのか……ということ。
これは勿論個人的な偏見なのですが、臭いセリフを大声で叫んだからといって『熱い』とは限らない。
では何処から来るのか?
僕は敢えて魂からと言いたい。
キャラクターの見せる人間性から出てきた信念の言葉。
たとえ自らが、その想いによって不利な状況に陥ろうとも、決して曲げない強い意志。
キャラクターの魂がその状況にある時、そして製作者自身もまたそこに自らの魂を重ね合わせる時、初めて熱さを持てるのです。
だから如何に格好いい事を口先で言おうとも、魂の宿らない言葉は上滑りして、酷く虚しく響きます。
『天元突破グレンラガン』の主人公・シモンはこう言います。
舐めんじゃねぇ…………!!
時間だろうが空間だろうが多次元宇宙だろうが
そんなこと知ったことじゃねぇ
てめぇの決めた道をてめぇのやり方で貫き通す
それが俺たち、大グレン団だ!!!
まさにこの言葉こそ、熱さの源が何処にあるのかを教えてくれる言葉だと、僕は思っています。
という訳で……前置きが長くなりましたが、今回のエリンは物凄い熱かった
エサルが予測する、王獣を操れる事に様々な邪念を抱くであろう人々を
くだらない
と、一刀のもとに切って捨てる強さ。
それは心の強さであり、獣を私利私欲に利用しようとする理不尽さに怒る優しさを併せ持っています。
これは闘蛇衆の村に生き、霧の民である母親を失ったエリンだからこそ断言出来る言葉です。
叫んでいる訳じゃありませんが、その心は何よりも熱い。
そう、それを自分の物として語れる魂にこそ、僕は感動するんですね。
またエリンの事を王宮に知らせるか否か、この決断をするエサルも静かなようで熱い心を持っています。
普通、こういう事を報告するかどうかで迷うのは自己保身からです。
確かに他の教師に対する話の上では、そういった事も言いました。
しかしエサルの真意はエリンという素晴らしい才能と精神を持った少女を、それらが生かせる環境においてやりたい、悲しみを負わせたくないという気持ちです。隠していてばれた方が当然リスクも高い。
しかし彼女はエリンと王獣の事を思いやって、隠すべきであるという結論に達したのです。
そしてエサルは最後にカザルム学舎の一同に向かってエリンの秘密を守れる物は起立せよと言います。
しばらく続いた静寂を破ったのは、ユーヤンとトムラ。
この順番もまた単純なようで非常に大切。
同室で誰よりもエリンに近い所にいたユーヤンと、共に王獣リランの役目を負い最初は反発しつつもエリンの凄さを間近で目に焼き付けたトムラが真っ先に立つ。
この二人こそが、エリンの最も重要な理解者である事を改めて認識させてくれます。
ついでに画面外だったんですが、ムック&モックも同じタイミングだったであろうと想像出来ます(笑)
そしてみんなもエリンの為に、全員起立をしました。
もちろんこれが本当の意味で守られるかは分かりません。
むしろ物語の展開を考えるならば何らかの形で秘密が漏れてしまう、判明してしまう事は必定でしょう。
しかし、この時この場所で全ての人間がエリンの為に起立した理由は、
やはりエリン自身の輝きを皆が実感しているせいだと思うのです。
やはりそこには他人を認め、思いやる精神の強さ、魂の熱さが宿っているのです。
さて、今回「王獣規範」についてある程度語られましたがやはり王獣を操る技術、闘蛇を操る技術は真王ジェが伝えたもので、今は完全な形では存在していないと考えられます。それを唯一伝えるのが霧の民でしたが、彼らもそれを禁忌として明かさない。
ただ一人、王獣と拘留する術に独学で到達してしまい、尚かつ指笛で闘蛇を操る術を知っているのがエリン。
来週は大公の子息二人が仲違いをする話らしいですが、どう転がるのか……今から楽しみですね。