それにしても、今回断食修行に持っていった本は「静」的な本が多かった。自分の内面に訴えてくるような・・・
まぁ、これも自分の今の心境なのでしょう。
さて、最後は「うっかり人生がすぎてしまいそうなあなたへ」
これは敬愛する山口路子先生に頂いた大切な本です。今の私にぴったりで、何度も読み返しています。
久しぶりに読み返して、私の願っていることがすとんと明確になった。
ぐわっときた部分を引用すると・・・
「そうだった。私は「うっかり人生がすぎてしまう」のが嫌だったのだ。
女として、ただ老化するに身をまかせるのも、
緊張感を失った馴れ合いの男女関係も、
習慣を言い訳にして一日一日をひたすら消化していく生活も嫌だった。
そこには自分の足で、自分の選んでいる道を歩いている実感がない。
意識しないところで、時間だけが確実に過ぎてゆく。
そこでの主人公は無表情な時間であり、自分自身ではない。
私はそれが嫌で、立ち止まってみたり、あがいてみたり、していりうのかもしれない」
また、本の中で須賀敦子「ヴェネツィアの宿」に出てくる言葉が紹介されていて、これにも共感。
「宗教とか、哲学とか、自分がそんなことにどうかかわるべきかを知りたい。
いまここでゆっくりかんがえておかないと、うっかり人生がすぎてしまうようでこわくなったのよ」
そう、そう!!!(膝を打つ音)
うっかり人生が過ぎるのが怖かったのです。
なにもそんなにリキを入れなくても・・・と思うかもしれないけど、
あがけるうちはあがいていたい。
須賀敦子さんを教えてくれたのも路子先生。
良い本に出合うのも、縁というか、連鎖なのですね。
断食から帰った後、すぐに「ミラノ 霧の風景」「ヴェネツィアの宿」もぽちっとしたのでした。