深夜にオンラインのヨガをやるのがほぼ習慣化してきて、なかなかにいい感じです。なにしろ誰にも見られずにやっているので、サボったり、コケたりしても自由。
わたしは以前から、ヨガをやっている最中に、無心になるほど過去の旅行先の風景が蘇ってくるクセ?みたいなものがありました。特別な景勝地だとか、文化遺産だとかを思い出すのではなく、訪れた街角の信号待ちの場面だとか、路地に咲いてた紫陽花だとか、甘味処で出された綺麗なガラスのスプーンだとか、そんななんでもない風景です。でも、そのなんでもない場面を心の中で眺めては、なんだか淡く、幸せかも、と感じながら動いているのです。
このことを上級インストラクターさんに言うと、それは良いですね、そうじゃない人もたくさんいるんですよ、とのお返事。ヨガのレッスン中に過去の場面がフラッシュバックすること自体は珍しくないらしいのですが、その内容がひどく辛かったり苦しかったりするタイプの人もけっこういるそうなのです。そのため、レッスン後に体調が崩れたり、不安が胸に迫ったり、泣き出してしまう場合もあるとか。
ヨガは心の中に、不思議な空室を作り出し、そこに呼び込まれるものは、人それぞれなのです。
ひとりの夜ヨガを終えてベッドに入り、最後に消灯する前、サイドチェストの上に飾ってある天女風の人形を眺めます。
今日もこれといったことはなにもできなかった、でも、なんにもない1日をなんとか終えられた、ありがとう、と手を合わせてみると、あ、これって、幸せなのかも、とほっかりした気分で休めます。