榎本喜八さんが亡くなられていたと言うニュースを耳にしました。
首位打者にも2回、最多安打4回、新人王、ベストナイン9回にも輝き、大毎ミサイル打線の中核を担った偉大なる打者です。
しかし、引退後はプロ野球界と一切の関わりが無く、自分にとっては想像を掻き立てられる伝説の人と言う印象でした。
そんな中、自分が出会った一冊の雑誌。
Number PLUS 20世紀スポーツ最強伝説3
プロ野球 大いなる白球の軌跡
発行は1999年。
当時は松坂大輔が西武入りし、1年目から大活躍した年でした。
この雑誌の企画は20世紀の終わりを前にプロ野球の様々な出来事を振り返ったコラムが満載だったり、12球団夢のベストナインを決めてみたり、江夏の21球が再録されていたりしました。
10・19をロッテ側から見たコラムが個人的にお気に入りなのですが、それと同じくらい自分が興味を惹かれたのが『もののふの真実』と言う榎本喜八さんへの取材コラム。
自分に取っては歴史に埋もれかけた伝説の存在が解明されると思い、ワクワクしながら読んだものです。
写真に写る当時63才の榎本喜八さんは普通の初老の男性で、奇行で知れ渡った面影は感じさせないものでした。
とにかく、この取材録は読めば読むほど面白く、そして難解で、ますます榎本喜八と言う選手の打撃理論と言う物を理解したくなります。
この筆者の松井浩さんと言う方はこれを書く3年前から榎本宅に足を運び、40時間以上話を聞き、更に榎本の理論を理解する為にバッティングセンターに通うだけで無く、武術を学んだそうです。
しかし、これだけの成績を残しながら野球殿堂に選ばれていないのは意外でした。
亡くなられた事がきっかけと言うのも寂しいですが、再評価されて良い、いや、しなければならない方だと思います。
孤高の安打製造機よ安らかに…。
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