わたしのはじまりは
小学生3年の頃
国語の教科書の中

とある物語は
みかんのなる木の話
その文章は

みかんの甘い香りと
口に含んだ時の
酸っぱさと瑞々しさ
溢れてた

それは何気に聴いた
ラジオ放送
流行りの歌達とDJ

聴こえてくる音楽
一緒に歌いながら
身体に染み付いて

音と言葉の融合
夢中になる
思春期

ラジオのDJは
はち切れんばかりの
明るさで笑ってた

そのDJは歌手
自分で作った歌を
歌う歌手

あれだけ明るい
キャラクターが
歌うのは違ってた
とても深く重い歌

そのギャップに
魅了される

やがて中学生
新聞配達で
ギターを買う

自分の言葉で
自分のメロディー
奏で始める
思春期

買いあさるレコード
カセットテープ
読みあさる本達

その内に仲間が集まる

文化祭
バンドコンテスト
路上ライブ
高校へ通う列車の中
先輩への淡い恋心

憧れから東京
音楽専門学校
一人暮らしのアパート

仲間と奏でる
アンサンブルの日々
合同コンパ
広がる知識と経験
楽しき宴

突然の知らせ
父の自殺未遂
田舎へ帰ることに
怒りの感情

やがて就職
社会の中の自分
公と個について考え
世間を知って行く

大阪が始まる
新しい土地
新しい仕事
新しい仲間

そして
特別な女性との
出会い…
愛を知って行く

中年と呼ばれる時代
様々な土地と仕事
いろいろな出会い

派遣切り…寒い夜
孤独を重ねて行く

震災…友が逝く
衝撃と哀しみが
心を揺さぶる

渡る東北
人々のリアルな現実
闘う夏、闘う冬

励ますのはやっぱり
音楽だった定禅寺通り
塩竃の街並みと音楽
川内村の山と自然

やれる事をやり尽くし大阪へ
戻ってみるも
宛があるべくも無く
抜け殻状態

下る坂道
やる事を失ってしまう
いや、放り投げた

自分と社会の矛盾
埋められず

心がポキリと
折れる音を聞く

訪れる試練

わたしのすべては
生きている理由を
探す為の旅だと
改めて気付く時

再び、自分の
存在証明の為に
書き始める

おっちゃんと呼ばれて

書き始める

街の情景
不条理と条理
光と闇
絶望と希望
男と女
個と公
善と悪
孤独と愛
戦争と平和

人間を諦めない
欲望が湧き始める

わたしのはじまり