続きです

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どれくらいの時間が経ったでしょうか。

先生からオペ室へ促されました。

Lの
口には管が通され
腕や脇に点滴がされてました。

「Lちゃん、さきほど心臓が止まりかけましたが
強心剤や利尿剤などで心拍は戻りました。」

心拍数が表示される機械を見ると「220」
早すぎ?

「ただ、薬が効いてのこの数値です。薬が切れると弱まってしまう可能性があります。」

先生の説明によると
急性の心不全によって肺水腫を起こしているとのこと。
肺に溜まった水が利尿剤で尿として排出されれば、呼吸ができるようになる。
今は自発呼吸しているものの弱すぎる状態。
さっき診察台で吐いた水。
あれだけの量が肺に溜まっていたということは、相当の重症。
肺の水が尿として排泄されて、呼吸が戻れば回復しますが、このまま戻らない子もとても多いです。
とのことでした。

そんなに重症だったなんて……


オペ台の上のLは目を開けていましたが、私のこと見えているのかは分かりません。

「L……」

撫でながら呼びかけますが、ピクリとも動きません。

ドラマなんかでは、こういう時、ピコーンとか言って劇的回復!なのにね…
などと思いつつ……


「L……頑張って……
また、ササミたくさん食べよ。
いい子だね…
ごめんね…
でも、頑張って……」

撫でながら話しかけました。


夫もRを抱きながら

「L……ほら、Rも応援してるよ。がんばれ……」

と励ましてました。


しばらく撫でていましたが、先生に

「利尿剤で尿が出るかどうかが分かるまで、時間が掛かりますから、待合室でまたお待ちください」

と言われたので待合室に戻りました。

Rもただならぬ空気を察したのかソワソワと落ち着きません。


「祈るしかないね……」

夫がポツリと言いました。


Lを可愛がってくれていた母と妹にLINEでLの危篤と祈ってくれるように頼みました。
なるべくたくさんの祈りがLに届きますように!
Lのこと大好きっていう人の祈りが集まれば、きっと大丈夫……

テレビの音だけが流れるシンとした待合室で
私たちは会話もせず、ただ黙って座っていました。

時折、Rがクンクンと鳴くので抱き上げ
でもRは抱っこが好きではないのでイヤイヤするためおろし
鳴いては抱き上げ
おろし…
を繰り返していました。

大丈夫、Lはきっと回復する……

妹からも心配と励ましの返信が来ました。
「先生とLちゃんを信じて、みんなで祈るよ!」

心強い返信でした。


そう、Lを信じよう。
先生も信じよう。
祈りながら待ちました。