〖 ⅩⅧ 月 〗
「まだ見えない時間だね」
月の時間は 夜の時間
夜はほとんどのものを隠し
輪郭をぼかし
世界を静かな影の中へ沈めていく
夜の森ではなおさらのこと
静まり返った闇の中では
自分が踏んだ枯葉の音さえ
胸を跳ねさせるほどに響く
息をひそめれば
夜の奥でかすかに息づく
獣の気配まで感じてしまう
見えないものが
見えないままに息をしている時間
今はまだ はっきりしない
もやもやとした感覚が続き
答えを急ぐ人には
少し苛立つ夜かもしれない
けれど 人生はいつも
すぐに答えをくれるわけじゃない
夜のように
見えない時間を通らせることで
人を育てていく
「これから何が起こるの?」
そう焦らなくていい
こういう時間があるからこそ
その先に成長が訪れる
夜は必ず明ける
この見えにくい “もやもや期” を どうか嫌がらないで
「わたしの未来がわかるの?」
そう尋ねられれば 月は静かに微笑むだろう
未来を見つけて選んでいくのは
あなた自身
月は言う
「 あせらなくてよい ゆっくり進んでいきなさい
そのうち、 産道の出口にたどり着くから」
そして―― 月の次に現れるカードが 何を告げるのか
あなたはもう知っているはず
