〖 ⅩⅥ 塔 〗
「それ もういらないよね こっちで処分しちゃうね♥」
天は 有無を言わせず あなたの鎧を粉々に砕きました
あぁ――もう どこにもありません
けれどこれは 絶望ではなく 静かに差し込む希望です
仮面がはがれ 鎧が落ち
守り続けてきた壁が崩れていく
変わりたい人にとっては祝福の光
隠してきた人にとっては少し痛いまぶしさ
でもね
これはもう人間が逆らえる領域ではありません
あなたには もう必要ないから壊されたの
「やっぱり怖いわ もう一度 鎧を着たい」
そんな声が心の奥でささやいても どうか今は急がないで
ひとまず ゆっくりお風呂に身を沈めてみませんか
外の風にあたった身体を そっと労わるように
垢を落とし 古い角質を手放して
もう役目を終えたものを流していく
鎧がなくなったあなたは むき出しのまま
新しい光に触れています
その柔らかさこそが 次の扉を開く力になるのです
