〖 Ⅰ 魔術師  〗

 

 

 

「はじめましょう」

 

まっさらなスタートラインに 今

あなたは立っている

 

まだ何も起こっていない静けさの中で

魔術師がそっと告げる  「さあ、はじめましょう」

 

これまでの人生で集めてきた 無数の経験たちが 

あなたの前に道具のように並んでいる

準備は もうとっくにできていたのだ

足りないものがあるなら  歩きながら拾えばいい

旅の途中で出会うものは すべてがあなたの味方になる

 

それでも不安は顔を出す

「失敗したらどうしよう」 

「ちゃんとできるかわからない」 

「そもそも、始め方がわからない」

 

そんな声が浮かぶのは自然なこと

無理やり踏み出す必要なんてない

まずは その声に気づいてあげて

 

私はいま どんな思い込みに縛られているのだろう

どんな “こうあるべき” に閉じ込められているのだろう

 

映画を観るように 少し離れた場所から眺めてみるのはどう?

「ああ、私はこんなふうに感じていたんだ」 

その気づきが はじまりの灯りになる

 

そして それらをそっと横に置いてみる

すると あなたの本当の力が 静かに動き出す

自分の気持ちと向き合ったその場所から

やがて動くべき方向が 自然と見えてくる

 

スタートラインは あなたを急かさない

ただ そこに立つあなたを やわらかく迎えている

 

はじまりは いつだって あなたの内側から 静かに芽を出す