~(思い出話)~

 

小学校6年生の音楽の時間

その日はクラシックを聴く授業だった

音楽室にはいると黒板いっぱいに絵がかいてある

 

わあーと驚きながらクラスのみんなは

「何が始まるんだ?」とワクワクしながら席に着いた

 

先生はいう

「音楽には物語があるんだ」と

そういうようなお話があったように思う

 

 

 

音が始まる

遠くから弦楽器の音が流れてきた

 

先生は黒板に描かれた絵をたどりながらお話をはじめる

 

街に流れる川の流れに乗ってその土地の物語が展開されていく

 

「ここでは結婚式が行われていて・・・ 」

「ここではこういう風に人が生活をしているの・・・」

 

その音符の船に乗ってわたしたちはモルダウ川を下っていった

行ったことのない外国の景色を想像しながら

その土地に住む人々の生活を想像しながら

 

 

細かい内容は忘れてしまったけれど

あの時の楽しかったワクワクの感覚は覚えている

 

先生も実に楽しそうに語っていたのが印象的だった

 

やがて川の流れは私たちから離れて遠くに流れていった

 

 

 

 

「音楽には物語がある」

ただクラシックを聴かせるだけでは退屈な授業になるだろうと思われたのか

先生がたくさん考えて行ってくださったんだと思う

 

とても楽しい授業だった

 

 

 

 

(後日追記)

あれはスメタナによる「我が祖国」だったと思います

 

 

※いいねくださったかた

ごめんなさい

原稿を分けることにしました