考えてみれば父とは何年も離れて暮らしていたから内縁の妻の言うことを鵜呑みにしてきたけれど、本当に父は徘徊をするんだろうか?
と、言うか、認知症の徘徊ってこんなものだろうか?
聞いた所によると、認知症の人は骨折しても気づかずに歩き続ける人もいると言う。
父は家にきてから、一人でプラッと出て行ったのが2回だけ。
2回とも自分で帰ってきた。時間はかかっている。父は歩くのが本当に遅い。私、一人でなら5分で歩ける所を倍以上の時間がかかってるんじゃないかと思う位遅い。
だから本当に散歩に出ているだけじゃないか?と思う。ただ、やっぱり認知症だから私が待ちきれない。
もしも途中で訳がわからなくなったら?記憶が混乱したら?帰ってこれなくなったら?と、心配でいてもたってもいられず探しに出てしまう。
本人は帰ってきて大騒ぎになっている事に腹をたてる。「散歩に行ってただけだ」と。
本当に散歩で徘徊とは違うんじゃないかと思えてきてる。
私が休みの時は父も休みにする。やっぱり疲れるだろうと思うから。
だけど父は7時前から起きる。私は休みだから、ゆっくり寝ていたい。だけど父が退屈して出て行ってしまうんじゃないかと思ったら寝てられない。
起きて、歩きでてかける。たとえば洗濯をして干さずにコインランドリーへ行く。乾燥機にかけている間に公園へ行ったり買い物へ行ったり、1回家に帰ってきてから取りに行ったり。
「ジィがいてくれると助かるよ」と言って、いちいち歩きで用事を済ます。時間はかかる。
だけど父は私の役に立つのなら。と思うのか文句も言わずやってくれる。
言い方は悪いが、歩いて疲れるように何回も分けて用事をすませる。ただ私も疲れる。
そうすると、夜は9時前からうとうとし始めて明け方まで、イビキをかいてグッスリ眠る。
来た当初は眠前薬に強い安定剤が出ていた。飲んでもらっていたけど、本当は嫌だった。試しに薬なしで寝てもらうと、何にも変わらなかった。
先生に話をして今は眠前薬は飲ませていない。薬なしで寝られるなら、何よりな事だと思う。
そんな生活をしていたら、1ヶ月以上で探しに行ったのが2回と言う事に気がついた。
父が言った通り、環境が父を歩かせていたんじゃないかと思う。「やることがないし、時間潰しに散歩に行くんだ」と。
ただ、私も休みの度にそんな事をしていたら、疲れがとれない。参ってしまうので、お守りがわりにGPSを借りた。
着替えるとズボンのベルト通しに紐をくくってポケットの中に入れる。たまに「なんだこれ?」と外してしまう事もあるが、付けてる事を忘れてちゃんとポケットに入ってる事が多くなった。
万が一の時の為にGPSは、しばらく借りていようと思う。
徘徊・・・確かに警察に保護された事もあった。半日以上も帰ってこない事もあった。だけど本人はちゃんと「帰ろう」と思ってた。と言った。
徘徊ってこんな事じゃないような気がする。
こんど、私がいるときに一人で出て行ったら、そっと後を付けてみようと思っている。
