昨夜の雨が
あなたの後ろ姿に五線譜を引いていった
ショパンが愛したように
未完成の楽曲だけが残り
わたしはいまピアノの椅子に座り
もともと弾けるはずのない人差し指が
あなたの鍵盤を探している



      忘れてしまった
      きみの声は
      天使の羽根になって

      触れたはずの
      きみの髪は
      星空をすうと流れて

      あの頃の時間は
      ガラスの破片となって
      静かに波の音だけが聞こえてくる

      会うことは
      もうないんだろうか

      ぼくはいま
      たぶんきみではない天使の膝上で
      眠りについている


またどこかで夜がくる
ひらかれる星の写真
あなたがもし夢の中なら
色んな国の
愛しているを覚えるね
次どこで目覚めてもいいように