こんにちは、moon-wolf17です。
今回は私が書いている物語
『スプリッターメイド』のプロローグを紹介します。
よかったら読んでみてください。

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あらすじ
炎に包まれた夜。
一人の少女は、すべてを失った。
母は炎に命を奪われ、
少女自身も瀕死の重傷を負う。
絶望の中、父はある決断をする。
――娘を救うため、
人形師である彼は禁じられた方法に手を伸ばした。
木、陶器、そして磁器。
壊れた体の代わりに、人形の部品が埋め込まれていく。
少女は生き延びた。
だが、それは本当に「救い」だったのだろうか。
人の心を持ちながら、
人形の体で生きる少女。
これは、
壊れた運命と秘密を背負った
一人の少女の物語。

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プロローグ
静まり返った夜の中で、叫び声が響いていた。
女の叫び。
そして、小さな子どもの叫び。
それは恐怖に満ちた声だった。
かつて美しかった屋敷は、今や激しい炎に包まれている。
誇らしく咲き誇っていたバラ園も、燃え上がる炎に呑み込まれていた。
一人の男が、炎に包まれた屋敷から必死に駆け出してくる。
彼の妻は、もう生きてはいない。
炎に命を奪われてしまったのだ。
男の腕の中には、瀕死の娘が抱かれていた。
小さな体は、全身にひどい火傷を負っている。
呼吸は浅く、今にも消えてしまいそうだった。
男は村の外れにある、誰にも知られていない小さな小屋へと向かった。
そこは仮の作業場のようだった。
小屋の壁には、木や陶器、そして磁器でできた
無数の人形の部品が掛けられている。
男は少女を作業台の上にそっと横たえ、
悲しみに満ちた目で娘を見つめた。
「怖がらなくていい……小さな子。
 お父さんが、必ず助けてみせる。」
男はそう静かに囁くと、作業を始めた。
少しずつ――
まるで壊れた人形を修復するかのように、
少女の体の傷ついた部分を、人形の部品で置き換えていく。
三時間ほどが過ぎたころ、
ついに作業は終わった。
少女は再び呼吸を始める。
まだとても弱々しいが、それでも確かに生きていた。
「ほら……言っただろう。
 必ず助けるって。」
男はそう言いながら、娘をそっと抱き上げた。
今にも涙がこぼれそうだった。
彼は心から安堵していた。
愛する娘を救うことができたのだから。
そして彼は心に誓う。
――自分が生きている限り、
 この子を守り続けると。

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これは私が書いている物語『スプリッターメイド』のプロローグです。
感想やコメントをいただけたら、とても嬉しいです。