『風と共に去りぬ』

 1977年星組 新人公演

 

 6月10日 18時 宝塚大劇場

 ~第1部~

 

*レット・バトラー・・・峰さを理

*スカート・オハラⅠ・・・桐生のぼる

*スカート・オハラⅡ・・・紫城いずみ

*アシュレ・ウィルクス・・・孝まりお

*メラニー・ハミルトン・・・夢まどか

*ベル・ワットリング・・・山奈由佳

*ピティパット・・・有季れいな

*ミード博士・・・葉山しげる

*ミード夫人・・・沢奈もえ

*フィル・ミード・・・真もえる(10日のみ)

*エルシング夫人・・・克美仁

*ファニー・エルシング・・・若宮あいの

*メリーウェザー夫人・・・若月香

*メイベル・メリーウェザー・・・宇月千佳

*ワイティング夫人・・・藤京子

*ルネ・ピカール・・・槙さやか

*プリシー・・・穂高真理

*ピーター・・・三神美百合

*マミー・・・未央一

 

 

 6月21日 18時 宝塚大劇場

 ~第2部~

 

*レット・バトラー・・・大湖かつら

*スカート・オハラⅠ・・・風美圭

*スカート・オハラⅡ・・・紫城いずみ

*アシュレ・ウィルクス・・・洋ゆり

*メラニー・ハミルトン・・・月城千晴

*ベル・ワットリング・・・山奈由佳

*ピティパット・・・橘万里子

*ミード博士・・・寿美夏子

*ミード夫人・・・星奈佐和子

*メイベル・メリーウェザー・・白雪愛

 

他は10日と同じ

 

 

 

 1977年「歌劇」7月号より

『風と共に去りぬ』第一回新人公演を観て

 

六月十日雨。星組第一回新人公演の当日、あいにくの雨にもめげず、大劇場を蔽った熱気は、仲々のものだった。

今回のキャスティングは、より若手が中心。大人の演技を要求されるこの作品において、並々ならぬ苦労があったと思う。だが、それを真っ向から受けとめ、全員が一丸となった舞台は、未熟さをカバーして余りある。熱っぽさのない演技程つまらぬものはない。その点、主役を始め出演者一同、よくやったと誉められて然るべきだろう。

 

さて、レット・バトラーの峰さを理。次代を担う者としての素質十分である。立ち姿良く、恵まれたマスク、ノビのある声。スター候補として、大いに期待される人である。だが、今回のバトラーについて言えば、具体的な人物の性格がもう一つ伝わって来ない。多すぎる手本に惑わされたのか、中途半端な演技になってしまった。もうそろそろ、自分なりの役作り、自分のキャラクターをつかんでいても良いと思うが。漠然とした形容詞で役をこなそうとする点は一考されたい。恵まれた素質があるのだから。次回を期待しよう。

 

スカーレットⅠの桐生のぼる。今回の出演者中、役に対する執念、気迫というものを一番強く感じた。人物の性格をまず的確に捕らえようとする姿勢は好感が持てる。スカーレットの強さ、わがままで勝気な面は良く出せたと思う。惜しむらくは、まだ夢多き令嬢気質のぬけぬ、かわいげのあるスカーレットという点で、今一歩の表現が欲しい。娘と女がアンバランスに同居した人物、アシュレやバトラーとのからみで、もっと演じる事が可能と思う。しかし、全体としては仲々の演技で十五場等は、歌もしめくくりにふさわしい迫力があった。

 

スカーレットⅡの紫城いずみ。スカーレットのもう一つの心という困難な役を、さほどの無理もなく演じていた。彼女の回りをフワフワしながら、様々な葛藤を見せるその演技は、あまり肉体を感じさせず、成功している。芝居を良く理解しており、センスも良い。

 

中略

 

 

「歌劇」の公演評はいつも辛口なんで、優しめの「宝塚グラフ」も書いておきます😁

 

 

 1977年「宝塚グラフ」7月号より

『風と共に去りぬ』星組新人公演

第一回<6月10日> 宝塚大劇場

 

『風』の新人公演は、これで3回目。これまでの例によると、この作品は主役二人のキャラクターにより、舞台のムードが予想外にがらりと変わるのを感じた。さて、今回はどうであったか?

レット・バトラーの峰さを理。新人公演のベテランだけに舞台度胸も満点、大柄なことが幸いして、身のこなしも豊かに、放埓さと誠実さを兼ね備えたバトラーを堂々と演じていた。

スカーレットⅠの桐生のぼるは強い気性の面はよく出していたが、今少し優雅さ、華やかさを出して欲しかった。これは自然ににじみ出るものだから難しいことかも知れぬ。しかし、幕切れタラの場面は熱っぽい迫力を見せた。

スカーレットⅡの紫城いずみは、可愛らしくいや味なく、何よりもパッとした華やかさがあった。さすがに『ブリガドーン』でヒロインを演じた人だけのことはあった。

 

中略

 

 

ここで一つ謎が‥‥。

2冊ともに峰ちゃんバトラーの写真にヒゲが無い。白黒で画質も悪いけど、ヒゲが無いのは確か。

でも、追悼コンサートにも使われていた「戦場」の場面の写真ではヒゲを付けていました(右横にルコさんが写っている写真)。この写真は東京公演の時なんで東京だけ付けていたんでしょうか?

峰ちゃんに聞かないとわからないか‥‥。

聞きたい。聞きに行きたい泣