『風と共に去りぬ』 2部40場
1977年(昭和52年)5月12日~6月28日
宝塚大劇場 星組公演
原作・・・マーガレット・ミッチェル
監修・・・長谷川一夫
脚本・演出・・・植田紳爾
峰ちゃんの写真が大きくなりました
配役
レット・バトラー・・・鳳蘭
スカーレット・オハラⅠ・・・遥くらら
スカーレット・オハラⅡ・・・玉梓真紀
アシュレ・ウィルクス・・・但馬久美
メラニー・ハミルトン・・・奈緒ひろき
ベル・ワットリング・・・衣通月子
サラ・ジョン・ハミルトン(ピティパット)・・・美吉佐久子
ミード博士・・・清川はやみ
ミード夫人・・・淡路通子
フィル・ミード・・・桐生のぼる
エルシング夫人・・・沖ゆき子
ファニー・エルシング・・・紫城いずみ
メリーウェザー夫人・・・瑠璃豊美
メイベル・メリーウェザー・・・月城千晴
ワイティング夫人・・・木花咲耶
ルネ・ピカール・・・峰さを理
プリシー・・・朝みち子
ピーター・・・葉月しげる
マミー・・・水穂葉子
初演の月組からの続演です。
当時はトップスターがヒゲをつけるのが初めてだったようで、ヒゲ論争が沸き起こっていました。
でも、実際に幕が開くと、ショーちゃんもツレちゃんも意外にも似合っていて、本当にヒゲが生えているんじゃないかと思ってしまうくらい自然な感じで、カッコ良かったです
著作権上プログラムには台本が載っていません。
空いたページを埋めるために、お稽古場の写真と初演の月組の舞台写真と主題歌集が載っています。この作品は名曲ぞろいなんですが、何故か主題歌集の中に「明日になれば」が入っていません
ただ、最近になってようやく気づいたんですが(遅い‥)三笠書房から発売された各組の写真集には台本が掲載されていました
今頃、読んでます‥‥。
残念ながら星組の写真集は持っていなくて、家にあるのは姉がご贔屓だったショーちゃんの月組とミキちゃんの花組版です。
発売されたレコードも歌とダンスの場面がほとんどで、お芝居の場面はごくわずかしか収録されていませんでした。それで2枚組のレコードを作ってしまうなんて凄い
ちなみにスカーレット編のレコードは1枚だけでした‥‥。
でも‥‥、今スカステで普通にノーカットで放送してますよね 。
初演当時はレコード化も舞台中継もできなかったのに何故
どんな契約条件だったのかわからないですけど、今の人がただただ羨ましいです。大人になってからもう一度じっくりと観たかった。
この作品でモックさんがスカーレットに抜擢されてツレちゃんの相手役になり、その後、暫く空席だった星組のトップ娘役に就任しました。
当時、私はまだ小学生だったので人事には全く興味がなかったんですが(人事という言葉も知らなかった)、母も姉二人も配役を見て驚いていました。初演の月組のミッキーさんのスカーレットに続く驚きの抜擢でした。
モックさんは初舞台を含めてもこれがまだ三度目の舞台で、しかも初めてのヒロイン。男役だったんで身長が166㎝もあって、他の組のトップスターよりも大きかったんですね。
1977年7月号の「歌劇」でツレちゃんとモックさんが対談されているんですが、驚いたことにモックさんは新聞発表でスカーレットの配役を知ったそうです
ツレちゃんとモックさんは10期も離れていて、それまで話をしたことも無かったので、一緒に食事をしたりして交流を深めたそうです。
公演ポスターの撮影時のモックさんのお化粧もツレちゃんにしてもらったそうで、ツレちゃんはモックさんのことを「赤ちゃんみたい」だと言っていて、すごく可愛がっているのが伝わってきました
この公演の名場面は、1部のラストのスカーレットの「明日になれば」の熱唱と、2部のスカーレットの階段落ちと、最後の別れの場面からのバトラーの「さよならは夕映えの中で」の歌等々なんですが‥‥。
私が一番印象に残っているのは、2部の第12場「バトラー邸」なんです。
この場面でメラニーが傷心のバトラーに
「あなたは愛した人の言葉より、町の人々の噂を信じるのですか」
と言うセリフがあって、子供心にもジーンときて胸が熱くなりました
そしてその後、バトラーが「愛のフェニックス」を歌いながら銀橋をわたって行くんですが、その時、舞台上でメラニーが倒れてしまいます。
初演の月組を見た時に、
「ショーちゃん、歌ってないで早くケイコちゃんを助けて‼」
と思ったんですが、星組の時も同じように、
「ツレちゃん、歌ってないで早くナオちゃんを助けて‼」
と思ってしまいました。
お芝居の世界と現実の世界がごちゃ混ぜになっていましたね
あとは、マミーの赤いペチコートも好きでした。
2部の第10場「バトラー邸」でマミーがスカートをちらっとめくって、赤いペチコートをレット・バトラーに見せる場面がありました。
そこで私は、初めてペチコートの存在を知って、何故か憧れたんですね
今はあまり見かけなくなったけれど、当時は普通に下着売り場に売っていて、母が持っていたペチコートを家ではいて遊んでいました
ちなみに、水穂葉子さんは〝マミー〟で4組全てに出演されていました。
水穂葉子さんといえばベルばらの〝モンゼット侯爵夫人〟が強烈に残っていたんですが、同じ人がやっているとは思えないくらい演技力が凄くて、包容力の塊のような愛にあふれた〝マミー〟でした。舞台に出てきただけで安心感がありました(と、昔上の姉が言っていた‥‥)。
ここから肝心の峰ちゃんの話です
峰ちゃんの役の〝ルネ・ピカール〟は南部の青年でメイベル(月城千晴さん)の恋人です。
スカーレットが黒い喪服姿で参加した第7場の「バザー会場」で、メイベルと踊る権利を75ドルで落札します。
その後、第10場の「アトランタの街角」でメイベル達と別れて出征し、第15場Bの「戦場」では兵士になってバトラー達と共に戦っています。
2部の第4場「街路」、第5場「バトラー邸」にも登場します。この辺は‥‥憶えていません
他にも1部の第1場の「プロローグA」で〝プロローグの青年〟、お芝居が終わった後の2部の第19場「主題歌」で〝歌手〟で登場してそれぞれの場面で歌っています。
ぼんやりとですが、峰ちゃんが真ん中で歌っていたのは憶えています。
峰ちゃんは下級生の頃から歌が上手くて、そして星組のホープだったのでよく真ん中で歌っていました。
当時の星組は男役も娘役も割と大人っぽい人が多かったので、童顔の峰ちゃんは余計に若く見えました。背も高くて目立っていました。
でも、悲しいことにあまりよく憶えていない‥‥。
憶えていなくても、きっと潜在的な記憶の中には残っているだろうと勝手に思い込んでいます