『ベルサイユのばらⅢ』新人公演
1976年(昭和51年)4月13日午後6時(宝塚大劇場)
配役
- フェルゼン ― 峰さを理
- マリーアントワネット ― 四季乃花恵
- オスカル ― 桐生のぼる
- アンドレ ― 賀茂鶴みき
- ロザリー ― 紫城いずみ
- ベルナール ― 有季れいな
- ジェローデル ― 鯉のぼる(改名後 一樹千尋)
- ルイ16世 ― 県英巳
- メルシー伯爵 ― 葉山しげる
- ソフィア ― 夢まどか
- マリーヤ ― 明知希帆
- ジャンヌ ― 藤京子
峰ちゃんは研5、四季乃花恵さんは研4、桐生のぼるさんは研6でした。
当時の公演評から 1976年「歌劇」5月号より(原文ママ)
連日、大入り満員を続ける大劇場の『ベルサイユのばらⅢ』。その人気の中で、四月十三日夜、大きな期待と興奮のうちに新人公演が行われた。主役のフェルゼンには、今までの新人公演でメキメキ力をつけてきた期待の峰さを理。アントワネットには大型新人として注目の四季乃花恵。
二人の本格的な顔合わせは初めてで、非常に興味のわく所だった。フェルゼンの峰さを理は、一段と大きくなった感じ。張りのある声で、後半の深く重いセリフをよくこなしていた。動きも大きく重量感のある感じになり、フェルゼンの苦悩を深く演じ、さらに歌の表現力がのびたので、彼女のスケールはかなり大きくなったようだ。ただ、前半の芝居の表現が少し単調で、もっとさまざまな表情、身ぶりの表現を身につけていけば、役づくりに深みが出てくるだろう。
アントワネットの四季乃花恵。彼女の場合は、成熟した女の大きな役は初めてだと思うが、自分の個性をよく生かしてりっぱに仕上げていたと思う。彼女の声のひびきのよさをうまくつかい、初風諄のセリフの言いまわしを手本にしてアントワネットのスケールをよく出していたと思う。少し欲を言えば、セリフが感情におぼれすぎていて、役の色づけが単純すぎる感じが気になり、役者としての計算がもっとほしい。
オスカルの桐生のぼる。彼女は今まで、甘くしかもキリッとした感じで、個性的な役にとり組んでいたが、今回はうってつけのオスカル。どうこなすか楽しみだったが、自分の個性をよく生かして、オスカルの美しく、悲しい感じをうまく演じていた。せりふも、女っぽさ、男っぽさをうまく使いわけてオスカルの性格をよくつかんでいた。パリ市内の芝居で、凛々しさを意識して少し固くなりすぎていたのは残念だ。歌の表現力がかなりあるのだから、もっとせりふの声のコントロールをよくすれば、もっと役づくりが深まると思う。
他、割愛させて頂きます m(__)m
この公演は観ていないので、何の感想も書けません
東京公演(7月2日~8月1日)では新人公演ではなく、役替わり公演になりました。
7月21日の5時30分と22日の1時と5時30分の3回も上演されました。
- フェルゼン ― 峰さを理
- アントワネット ― 四季乃花恵
- モンゼット侯爵夫人 ― 鯉のぼる (改名後 一樹千尋)
- ルイ十六世 ― 県英巳
他の配役は本公演と同じで、峰ちゃんと四季乃花恵さんが主演していました。
何故か東京公演は公休日が無く、翌月の月組公演も鳳蘭さんと初風諄さんが特別参加して同じ『ベルサイユのばらⅢ』が上演されるので、お二人に休演日を作るためだったらしいのですが、それでも新人公演の代わりとはいえ、この配役は物凄く斬新でちょっと驚きました。ヒロさんもあのキャラクターの濃いモンゼット侯爵夫人を本役の上級生達の中で演じていたとは‥。
もちろん観ていないのですが、役替わり公演とはいえ、当時まだ研5の峰ちゃんがフィナーレで最後に大階段を下りたということなのでしょうか‥。
凄い‥‥