峰ちゃん(峰さを理さん)が突然に旅立ってしまってから、1年半の月日が経ちました。この間、ただただ悲しくて寂しくて、何度目が覚めても悪夢の中に居るような‥、そんな日々がまだ続いています。心が半分すっぽり無くなってしまったような喪失感に苛まれています。いつまでも泣いていると峰ちゃんに𠮟られそうだけれど、峰ちゃんがいないという現実の厳しさに心がついていけなくて‥。追悼という言葉がまだ受け入れられません。遠い世界のことのようです。何を見ても何を読んでも、何の実感もわかなくて‥。何年経ってもたぶん私は、こんな悲しい重い気持ちを抱いたまんま過ごしていくのかもしれません。

 

 

初めて峰ちゃんに会ったのは1976年(昭和51年)4月6日の星組公演『ベルサイユのばらⅢ』でした。当時は空前のベルばらブームだったので同じような人が多いかもしれません。峰ちゃんは小公子という役で、幕開きすぐのプロローグの場面にブロンドの髪で登場し、キラキラした夢のような舞台の真ん中で歌い踊っていました。これから始まる夢の世界へと誘う役で、峰ちゃんは星組の若手のホープでした。

ただ、当時私はまだ子供だったので、自ら進んで宝塚が観たいと言ったわけではなく、「ベルサイユのばら」の漫画の大ファンだった二人の姉にくっついて観に行っていただけでした。まだご贔屓の生徒さんがいるわけでもなく、娘役さんのふわふわの輪っかのドレスと、縦ロールのくりくり巻き毛と可愛いリボンに憧れていただけのありがちな小学生で、峰ちゃんのファンになるのはもう少し大きくなってからです‥。

 

 

そして、最後になってしまったのは、2020年(令和2年)7月4日のライブでした。

白いロングベストに白のパンツ、インナーも白の爽やかな装いの峰ちゃんは、いつも通りの明るい元気な峰ちゃんで、声の調子も良かったので何の違和感もありませんでした。コロナ禍で次のライブの予定が立たない事を気にかけてくれていて、私も1年くらい先になるのかな‥と、次のライブが当たり前のようにあるものだとばかり思っていました。そして、いつもの愉しいトークの中にコロナの話題も織り交ぜて、ライブの終わりまでずっとファンのことを心配してくれていました。コロナ禍の厳しい状況の中で大阪にまで来てくれたことに感謝しています。

峰ちゃんは、その日は3回もメッセージを更新してくれました。「峰、幸せですね~」と。峰ちゃんの幸せいっぱいのメッセージが凄く嬉しくて、何度も何度も読み返していました。

 

 

あの日見た後ろ姿が最後になるなんて‥‥。

あれからたった7ヶ月足らずで峰ちゃんがいなくなってしまうなんて、どうしても信じられないんです。あんなに元気で、あんなに笑顔で、あんなに凄い声量で歌っていた峰ちゃんが、どうして‥。変な表現かもしれないけれど、諦めがつかないし理解できないし認めたくないんです。未だに昇華できないんです。

もしかしたら峰ちゃんは、本当は何処かにいるんじゃないのかな‥と。ちょっと疲れたから何処かで休んでいるだけで、もう少ししたら何事も無かったかのようにまた元気な姿を見せてくれるんじゃないかと‥。そんな事を考えたりしています。

いつまでも現実逃避していては駄目だとわかってはいるんですが‥。

 

 

あまりにも衝撃が大きすぎて、メンタルが崩壊して暫く何もできなくなってしまったけれど、今は少しずつ前を向いて、私なりの峰ちゃんへの想いを綴っていきたいと思います。

峰ちゃんへの感謝と敬意と、そして愛をこめて‥。