お店をオープンしてから、ようやく1年が過ぎようとしていた。少しずつ常連さんもでき、1つ年下のチーママも一緒に働くようになった。
ススキのから働きに来ていた子たちは地元へ戻り、スタッフも少しずつ入れ替わった。
クラブのGMから女の子を紹介してもらったり、オープン時期が一緒だった銀座に本店のあるバーのオーナーや店長さんにも贔屓にしていただいた。同じビルに20店舗あるママ達との繋がりでお客様を紹介しあったりといわゆる同業仲間が出来た。
けれども、
お店のスタッフとは、距離を置いて付き合うようになった。桃太郎に出てくる猿、キジ、犬の様に仲良くしたいけれど仕事上の立場で上手く行かないのだ。
26歳になった私は、全てを背負う様に、生きていた。(かわいいね)資本主義の仕組みを身体で味わいながら、少しずつ噛み締めていた。