劇団Tip Tap公演「星の数ほど夜を数えて」
at すみだパークシアター倉
大学の天文サークルで出会った夫婦。
娘は自立し、夫婦は車で日本中を回りながら
星空を楽しもうとしていた矢先。
妻が認知症だと診断される。
愛する妻を自宅で介護する生活が始まる。
二人の生活を支援するケアマネージャー。
両親を心配する娘。心配をかけまいとする父。
薄れていく記憶の中、
妻は夫にあるお願いをする。
夫はその願いを叶えることができるのか。
さらに、人生の終わりに向かって歩き始めた夫。
二人が選び取る幸せとは?
登場するのは5人。
夫、妻、娘、ケアマネージャー、主治医
バンド(ピアノ、バイオリン、ギター、チェロ)の
生演奏に5人の役者の歌声が重なると
音楽が星空から降ってくるような感じがした。
すばらしかった。
それぞれの人物が歌うのが
どれもこれもすばらしくて、
ずっと心が震えっぱなしだった。
そして、物語は終わりを迎え
涙があふれて止まらなかった。
切ない気持ちに包まれる時間だった。
作・演出は上田一豪さん。
劇団TipTapの「Count Down My Life」
の初演でトシさんが脚本家を演じたのを
観たのが始まりだった。
今回は、認知症というむずかしいテーマが
彼なりの切り口で物語が紡がれて、
すばらしい音楽が物語を描いていた。
すごかったなぁ…
いい舞台は心に元気をくれるね。
今回、ケアマネージャー役を演じていたのが
内藤大希くんで、彼の舞台を初めて観たのが
15年前の春だった。
彼がいろいろな役を演じるのを観てきた。
若くて繊細な役を多く演じていた気がする。
帝国劇場のセンターに立ち、
マリウス役を歌い演じる姿に、
涙がハラハラとこぼれていた。
それから、時は流れて
「星の数ほど夜を数えて」で演じたのは
ケアマネージャー役だった。
人間としての深みを感じるまでではないが、
人としての太さを感じる役を演じるように
なったということが、とてもうれしかった。
この先、どんな役を演じ、
どんな役者に成長していくのか。
こっそり、ずっと、
見守るのを楽しみたいと思っている。




