神様は退屈していました。
なにか楽しいことはないかと考え、世界を創ることにしました。
地や水、植物、空気…そして生物を誕生させたのです。
神様は楽しくなって世界を創ることに夢中になっていました。
その後ろ姿を一人の少女が見つめています。
神様には娘がいたのです。
娘は父が遊んでくれなくなり、退屈していました。
どうにか父を振り向かせたくて
娘はもっとすごい世界を創って
父を驚かせようと思いつきました。
まず娘は生物を創りました。
生物は水も空気もなくすぐに絶滅しました。
娘は水と空気と生物を創りました。
その光景は水槽のようでした。
娘はどうして父のようにできないのかと癇癪を起こし
世界を創っては壊しを繰り返しました。
悔しくて泣きながら世界を何度も何度も創り直しています。
その後ろ姿を神様は見ていました。
神様は娘に優しく世界の創り方を教えてあげました。
生物は脆く、何かを間違えてしまえばすぐに消えてしまう。
手のひらで優しく包み込むように育てるのだよ。
娘は父の言葉や温もりを受け、心が満たされたのです。
この温かい気持ちを世界にも分け与えることを学びました。
娘の創り上げた世界はどんどん成長し
ついに美しい大地と広い海を持った
素晴らしい世界になったのです。
娘と神様はこの世界を「Earth」と名付けました。
今でも娘は神様とその世界を創る事に夢中になっています。