親に「年中活字ばかり追っている」と言われるくらい
かなりの本・・・いや、活字好きなワタクシ。
一度読み終えてしまった本でも、
あの部分の描写が良いとか
どこのフレーズが気に入っているからという訳で
何度も手に取る本というのがあります。
そんな一冊の一つが、リリアン・J・ブラウンの
『猫は手がかりを読む』。
かつて凄腕だったのに、不幸な事情が重なって
落ちぶれた新聞記者のジム・クィラランが、
アメリカ中西部のある町の新聞社に採用され、
専門外の美術欄を担当することになります。
その町の有力なアーティストの記事を作れ、
というボスからの指示で取材を始めるや、
新聞社の物議を醸す名物?美術批評家や
とんでもない個性の持ち主の芸術家、
画廊の経営者達と出会ううち
画廊で事件が起きたのを皮切りに、
次々に不可解な事件が続発。
そして、美術批評家の飼い猫のココとも
運命の出会いをする訳です。
何処に惹かれたかと言いますと、
本筋の謎解きの部分はともかく
マスコミ(新聞)が、どのように美術界
あるいは画壇を捉えていたのか、
国は違うとはいえ、アーティストの世界がどんな様子で
成り立っているのか、その舞台裏が見えたからでした。
著者のリリアン・J・ブラウンも、元々新聞記者だったので
自分の経験を生かしてこのストーリーを書いたようです。
自己紹介にもチラッと書きましたが、
祖父が絵描きでしたが
ある時期、一時的にあるグループに加わったことはありますが、
ほとんど単独で製作に取り組んでいたという話ですし、
20年以上前(ワタクシが小学生の頃)に
他界してしまっているので、
その筋の話はあまりよく知らなかったので
色々と教えられるところが多かったのでした。
ジムが初めて、自分の新聞社の美術評論家の
マウントクレメンズ氏の自宅を訪れる場面が大好きです。
かなりの美術品コレクターのこの評論家、
自宅はまさに美術館。
NHK-BSでやっている、『迷宮美術館』という番組の
初期の頃、フィレンツェのウフツィ美術館の
館長を勤めた方が「名誉館長」として
冒頭に出演されていましたが
特別編で公開された、その方のご自宅も
貴重な美術品で一杯。
その番組の特別編と、マウントクレメンズ氏の
自宅の場面がつい重なってしまいました。
マウントクレメンズの居間で美術品を味わいつつ、
グルメな批評家の作る美味しい料理に舌鼓を打つ。
この批評家、後のページで、「いろいろな面を持つ
人間だったんだ」と評されていますが、
この自宅のシーンは特に惹き付けられるのです。
なんだかこちらまでうっとりしちゃいますから。
ちなみに、この本に出会ったのは、
とある有名な猫のブログの広告で見かけて
気に留めたのがきっかけ。
記事のタイトルで、猫の話題だと思われた方。
このシリーズが『猫は~』という邦題からという訳です。