夜はzoomで知的生産の技術研究会の定例セミナーでした。

 

講師は知研の松本龍二さん。認知症グループホームでケアマネジャー職などをなさっているかたです。

 

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基本的に「自分が楽をするため」にAIサービスを活用しようという人は、私を含めてたくさんいると思いますが、「利用者さんの楽しみのために使えないか?」と考えた松本さん。仕事の合間にコツコツとトライ&エラーを繰り返し、「オリジナルの娯楽作品」を生成し、楽しんでもらう活動を続けているそうです。

 

読み手の希望に合わせた文章や画像を生成できるところまでは想像がつきますが、副次的に現れた現象の報告には驚きました。

 

反りが合わなかった利用者さんとの関係性が非常に良くなったというのです。

 

は?なぜ?って思った後、

ありったけの知識と経験を動員して、私が弾き出した仮説は

「利用者さんの中で余剰だった脳みそのリソースを(松本さんが持ってきた)初めて見る物語への興味や理解で消費することで、イザコザを起こさなくても消化できている」

です。

 

脳みそというやつは、エネルギーが余っているとき、つまり暇なとき、

どうでもいいことを考えて、何とかその日の分のエネルギーを消費しようとするものだと思うのですよ。

 

「暇すぎて、ろくな事思いつかない」っていう経験、ありません?
私はしょっちゅうです。眠れない夜はこの世の終わりのように落ち込むので、サクッと夢の世界へ落ちる薬が手放せません。

思考の強制終了です。

 

今回伺ったケースも、似ている気がします。

そもそもがスムーズではなくなった認知症のかたの思考のサーキットに、突然ピカピカのバイパスが接続されたようなものでしょう。新しいサーキット、走りたいですよね。

そうしたら、楽しいし、適度な緊張感もあるし、なにより暇を持て余した脳に「変化」は最高のごちそうでしょう。

 

 

AIの使い勝手がよくなると、もっともっといろいろな人に楽しみをもたらし、イライラやギスギスしている場合じゃない、楽しい時間を過ごせる人が増えそうで、楽しみだなと思いました。