ガチャッとドアが開く音に火神は目を覚ました。 

「・・・すげぇイイ匂い」 

食欲をそそる香りがする方へと視線を向けると、 一人用の鍋と水が入ったガラスコップが載ったお盆を持っている緑間がいた。 

宣言通り、しっかりと何か作ってきてくれたらしい。まず、香りは合格だ。 

「卵粥を作ってやったのだよ」 

緑間は言いながらサイドテーブルにお盆を置き、起き上がろうとする火神に手を貸してくれる。 

体勢が辛くならないようにベッドボードと火神の背中の間に枕を挟んでくれて、その一連の動きがあまりにも自然で人の看病に慣れているように火神は感じた。 

「・・・悪ィな。こんなことまでさせちまって」 

「悪いと思っているならさっさと治すのだよ」 

緑間はブツブツと文句を言いながらフローリングの床に腰を下ろし、火神が食べやすいようにと、レンゲで卵粥を掬いお椀に移していく。 

「お前って料理出来るんだな」 

「俺を誰だと思っている。粥程度作れて当然なのだよ」 

緑間からお椀とレンゲを受け取り「頂きます」と言ってから、緑間が見守る中レンゲでお粥を掬って口へと運んだ。 

「・・・うめぇ」 

ぽつりと火神の口から感嘆の言葉が漏れた。 

「当り前だろう」 

眼鏡のブリッジを上げフッと自信満々に口角を上げた緑間の頬が少し赤くなっていて、こいつにも可愛いとこあるんだなっと火神は頬を綻ばせた。