昨日の夜の事。teku.teku村のじーちゃんからの電話。イヤな予感…
老犬ぶっこが朝までもたないかもしれない。
初めての往診の予定で、心待ちにしていたのに…
電気もとおってない、真っ暗で寒い炭小屋で一人死んでしまうのか?
じーちゃんの自宅からteku.teku村までは車で約10分程。365日そこに通いご飯をあげている。
だから夜は犬と猫だけになる。
気になって眠れない…行った所でどうにか出来る訳ではないけれど、せめて人肌を感じさせたかった。
そして今日。往診の時間に合わせて会社を外出。
気は焦るものの、足取りは重く祈るような気持ちで村へ…
炭小屋に入る瞬間、心臓がバクバクした。
ぶっこは生きていた。うずくまって肩で息をする様に呼吸が早かった。細菌が繁殖したのだろう、黄緑色の目やに
がいっぱいだった。
名前を呼ぶと、むっくりと振り返り目を開けた。
一昨年亡くなった、ばーちゃんを思い出した。
ばーちゃんが倒れた時、何が何でも最後まで面倒見ようと誓った。
六年間、懸命に頑張ったつもりだったけれど、亡くなった後は後悔ばかりが残った。
いくら尽くしたつもりでも、これで良しという事は無いんだな…と思った。
苦しそうに肩で息をするばーちゃんに、これ以上「頑張れ」なんて言えなくて、「もう頑張ったから休んでいいよ」と
思った。
だけどそれは、自分が見ているのがつらいからで、ばーちゃんは必死で生きようとしていたのかもしれない。
今の私は、最期は苦しまず穏やかに天に召されるように…と祈る事しかできない。
じーちゃんと仲間のいる大好きなあの村で最期を迎えさせてあげる事しかできない。
ぶっこ、君が最期に思い描く風景はどこですか?
最期に思う人は誰ですか?