私とteku.teku村のじーちゃんの出会いは、2011年8月。ブログにある「牡丹との出会い」の日だ。
牡丹が捨てられたのは、今teku.teku村と呼んでいる山の付近。その時に牡丹が山にいた事を教えてくれ、首輪
を貸してくれたのが、じーちゃんだった。
その町は私が生まれ育った場所。犬や猫がよく捨てられる場所だという事は聞いたことがあったけれど、じーちゃ
んの存在は全く知らなかった。
初めて見たteku.teku村。
正直、言葉にならない程に衝撃的だった。
ここは何⁇
なんでこんなに犬がいるの⁇
足の踏み場もない程の犬の糞。それに集まるハエの群集。ワンワンと吠える犬たちの群れに、恐怖すら覚えた。
そのせいか、じーちゃんの第一印象も胡散臭いブリーダーの様に見えてしまった。
その時は、今こうやってじーちゃんと関わる事など想像も出来ず、牡丹を連れて逃げる様に帰って来てしまった。
一週間後、首輪を返しに行った時、じーちゃんと再会した。じーちゃんは真っ先に牡丹はどうしているか、と聞いて
くれた。あれからずっと心配してくれていた様だった。そして、
「いがったな~。お前捜しにきてけっちぇ、あの犬助かっていがったな~」と何度も言ってくれた。
私はじーちゃんを胡散臭い奴だと見てしまった事を反省した。
そして、色んな話をした。ここにいる大半はここに捨てられた犬や猫だと言う事、じーちゃんは昔、マタギをしてい
たから犬は相棒だと言う事、昔はこの場所に住んでいたが、水が出なくなり住めなくなってしまった事、餌代だけ
で月に五万円程かかっている事、犬の名前、じーちゃんの半生。
あんなに恐怖心にかられたはずなのに、何回か通っているうちにどの犬にも愛着が湧いてきた。名前も一通り覚
え、オヤツを手から食べさせる事ができる様になった。
この場所に犬や猫を捨てる事をやめさせたい。
ここに捨てれば、じーちゃんがなんとかしてくれると思うのだろうか。役場に懇願して、やっとポスターやら看板を
立ててくれたものの何の役にもたっていなかった。
何かできることはないものか?
80歳のじーちゃん一人にこんなに負担をしいていいのか?
現在、じーちゃんの飼い犬数匹と捨て犬を合わせて16匹、猫も10匹くらいいる。誤解をしないで欲しいのは、じー
ちゃんは犬をどうにかして欲しいとか、誰かに援助して欲しいなどと言った事は一度もないと言う事。
teku.teku村と称して地名を明かさない訳は、お馬鹿な人間がまたそこに捨てに行く事を防ぐため。また、犬達が
暮らしているのは、あくまでもじーちゃんの土地であり、じーちゃんの犬達であるから、ただの興味本位や怖いも
の見たさで行かれると失礼だからだ。
彼等は捨てられた犬であろうと、誇りとプライドを持って生きているし、じーちゃんはじーちゃんなりに懸命に命を繋
いできたはずだ。
teku.tekuは、団体でもなければ組織でもありません。
少しづつ前に進んで歩いて行ける様に、一歩づつ着実に歩める様にとネーミングしました。
村にいる動物達の今を守る事。この先、その命をどうやって守って行くかが大きな課題です。じーちゃんの年齢を
考えると、近い将来の彼等の行く末が見えてしまいます。それまでに、一匹でも多くの命を守りたい。
そう思っています。
餌の援助
医療を受けられるようにすること
里親を探すこと
もちろん、飼い主であるじーちゃんの気持ちも第一に、良い方向へ行ける様に考えています。じーちゃんにとって
彼等は大事な存在であるし、彼等にとっても村とじーちゃんは生きる場所だからです。
彼等の命は一日一日、刻刻と死に近づいています。
人間よりもものすごい早いペースで年をとります。
だから、関わった以上は、責任を持って進んでいきたいのです。
牡丹との出会い、じーちゃんとの出会い。それは偶然ではなく必然だったのだと感じています。
teku.teku